あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

発展的解消

今年度最後の市老人会(ゆたかクラブという)の女性部会の会議があり、市役所に出かけた。

 

11月に善意銀行に寄付した雑巾・タオルの枚数などの報告。この他には女性部長の研修会(という名の旅行)くらいで何も事業がないのだから、会議の内容も空疎なものだ。

 

今まで女性部で使用済み切手を集めて善意銀行に届けていたが、今年度で終了するとの告知があったが、この理由というのが、善意銀行で集まった使用済み切手の分類や整理をしていたボランティアさんが高齢化して、継続が困難になったからなのだと言う。かくのごとく、この社会のかなりの各種団体が高齢化し、かつ継承もできていないのだろう。

 

議題の令和7年度の女性部事業計画についてのところで、私はかねてから思っていたことを発言した。男性部はないのになぜ女性部があるのかと考えると、女性が差別されていた時代の名残だとしか思えない。チャリティー・バザーをやめて大した事業もなくなったことだし、残った事業はゆたかクラブ本体に移管して、女性部は発展的に解消するというのが、今の時代にふさわしいのではないか、というものだ。

 

この私の発言を受けてゆたかクラブの会長、つまり市の老人会全体の会長がマイクを持った(いつも女性部会の会議には、女性部会は自分たちの下部組織だと言わんばかりの顔つきで、ゆたかクラブの男性役員が3人ほどオブザーバー参加している)。かつてはチャリティー・バザーで多大な売り上げをあげて地域に貢献してきた女性部なのだからそれに代わる意義ある事業を何とか考えだしたらどうか。私もいつも考えている・・・と言う。女性部の必要性を問うたのに、女性部ありきの意見だ。

 

このあと老人会歴15年だという先輩女性が、「最初の方の意見に賛成だ。老人会の会長が女性というところも出てきている。数はだんぜん女性が多いのだし、女性だ男性だと区別せず、ゆたかクラブとして一緒に活動して行けば良い」というようなことを言ってくださって、男性の会長に抑えられた感じだった会場の雰囲気も一気に変わったように感じた。

 

ただ、すでに令和7年度の女性部長を決めてしまっている地区もあるので、7年度からすぐにというのは無理があり、来年度これを話し合って行こうということに落ち着いた。

 

帰り道、前回佃煮屋さんがお休みで果たせなかったお歳暮の手配を済ませ、国際交流協会に寄って学習者の受講申請書(このところ新規入会が多くもらってももらっても足りなくなる)をもらって家路につく。本日8691歩。筋トレは休もうかな?

 

 

情にも厚い最強のボス猫シマちゃんですって。いい面構え。 (sippoさんのサイトより)

ハコモノ作りたい人々の熱さ

単純な私は「豊橋公園へのアリーナ建設は中止する」という公約を掲げた市長の当選で、何年も活動してきた私たちの建設反対の運動もめでたく終了と思っていた。ところが先月の18日、新市長の任期が始まると同時に大変な反発の動きが起きている。

 

新聞やテレビもやはりお金を落としてくれるのはアリーナ推進派だからなのか、明らかにバスケットチームに肩入れした報道をする。周辺の地方自治体の首長は、自分たちの懐が痛むわけではないから、無責任に「周辺地域の活性化にもなるのに残念だ」と発言する。

 

建設推進の請願署名は、市内在住者に限らず、またなかば強制のような形さえ使って募ったとも言われ、13万筆を超える署名を提出したというが、どれだけの人が実態(建設すれば違約金をはるかに超える赤字が生まれる)を知って署名したものか。

 

市議会でこうした署名の集め方に言及した議員の発言を取り上げた新聞記事を、昨日urikaedeさん(id:morigaii)がブログで紹介してくださっていたが、なぜか、あっという間にその記事は消去されてしまっている。

 

市議会では、この20日にも市長の不信任案が提出されるらしい。提出されると現在の勢力分布では、自公の会派から離反者が出ない限り可決されてしまう。それまでに私たちにできることは・・・と、いま必死に皆が考え動いている。

 

応援する候補者がめでたく当選して、応援ボランティアのグループLINEもお役御免だななどとのんきに考えていた自分の甘さを痛感する。大型ハコモノをつくるということは大変な利権がうごめくことで、そこに集まる人たちの熱がどれほどものすごいものか思い知らされた。与党という利権に群がる自民党の強さもこれだろう。

 

そしてなんだかどんどん豊橋市民が賛成派と反対派に分断されていきそうで、沖縄の人たちはずっとこうした状況に置かれてきたのだろうなということも痛感している。理屈ではもちろんわかっていたが、いま肌感覚としてわかる。

 

これからどんなことがこの豊橋市に起こってくるのだろう。市長不信任?議会の解散?どちらにしろ大変な混乱を招き、またお金もかかることだ。

 

推進派はこれほどアリーナ建設が市民の希望だという自信があったのなら、住民投票条例の請願署名をなぜあれほどまでに必死になって潰したのだろうと思う。あのとき住民投票をしていれば、そうして推進派が勝っていれば、悔しいけれど私たちは諦めるしかなかっただろう。

 

タラ・レバの話をしても仕方がないが、これから続く混乱を思うとどうしても気持ちが落ち込んでしまう。国の行く末、世界の紛争だけでも十分すぎるほど重い荷物なのに、足元までガラガラと崩れ出したような気分のこの頃だ。

 

 

小さな小さなサンタさん、これ以上お金もモノもなあんにもいりません。平和で穏やかな世界が欲しいだけなんです。

 

【追記】

削除されてしまった記事を保存していた方がいて、グループLINEにアップされました。

 

今年もあやとり・お手玉・独楽回し・・・

今年も地区の小学校の「昔の遊びを楽しむ会」の日がやって来た。学校の行事はだいたい時期も曜日も決まっているのか、今年も第一水曜日で、私はまたしても民生委員の定例会とぶつかってしまって参加は出来ず、お手伝いを老人会の他のメンバー3人にお願いした。

 

今回は主任児童委員の方の提案で、定例会の後、希望者は民生・児童委員としてその学校行事を見学させてもらおうということになった。

 

今年も我が老人会の担当するおはじきは、去年ほどではないもののかなりの「自由さ」で、説明したルールなどどこへやら、児童たちはなんだか勝手にやっている。

 

このおはじきと同じグループの子供たちがこままわしに取り組んでいるのも見たが、こちらは、なかなかうまくいかない紐を巻く作業でも飽きずに何度も何度も挑戦していた。あやとりやお手玉・だるま落としでも、それほどバラバラではなかった。

 

思うに、おはじきはまず会場が和室であるため、児童の多くが入室するなり寝そべってしまうこと、なおかつ他の遊びほど高度な技術を要しないためか、集中力が高まらないこと、この2点がまとまらない大きな原因ではないかという気がした。

 

他の遊び(全てフロアーで立っている)に比べると、付いている高齢者は畳の上で座っていられて一見楽そうに見えるけれど、ずっと付いて見ていると、やり方を説明しても聞こうとせず、てんでんばらばらな様子を見守っているのは、意外に神経の疲れることだった。

 

去年のエントリーにも、子供たちに振り回されてメンバーは疲労困憊気味だったことを案じる記述があった。その同じ顔ぶれが懲りずに今年も引き受けてくれたことは感謝にたえない。

hikikomoriobaba.hatenadiary.com

 

おはじきもお手玉もあやとりも、私はさして得意ではない。外遊びのマリつきやゴム跳びは夢中になって取り組んだけれど、これらの室内遊びは、どうしても外で遊べない雨の日にしかしないし、そうした時にはお人形さん遊びやお店屋さんごっこの方が人気があったように思う。

 

今はまだ80代でお元気な方がこうした遊びを達者にリードしてくださっているが、私たち70代前半組は、子供時代にそろそろ茶の間にテレビが入ってきた世代で、もう高齢者自体がこれらの「昔遊び」の熟練者ではない。

 

今後、高齢者にとってすら懐かしいイメージに過ぎなくなる「昔遊び」を、学校は変わらず「高齢者なら相手できるもの」として扱って行くのだろうか。参加する高齢者は、事前にYouTubeでも見てやり方を学習して行くようになるのだろうか。

 

テイクプロデュースさんのサイトより

 

ありそうで怖い『アイスクライシス』笹本稜平著

この物語のどのあたりまでが事実で、どこからがフィクションなのか。巨大国家の機密維持のためなら、民間人を事故に見せかけて抹殺する・・・くらいのことは、いかにもありそうで怖ろしい。

 

先日読み終えたオオカミと人間の物語に心がふるえ、やっぱり笹本稜平さんの作品は信頼できると思い、生涯学習センターの図書室の棚にもう1冊あったので借りて来た。

 

今回の舞台は北極。日本の資源探査会社とアメリカの準石油メジャーによる合同チームが海底油田の探査のため北極海の基地で活動している。チームリーダーは日本のジオデータ社の社員郷田裕斗だ。

 

ある日、ロシアの核物理学研究所の総本山クルジャコフ研究所が、純粋水爆の開発に成功したというニュースが世界を駆け巡る。純粋水爆とは起爆剤として原爆を使わない水素爆弾で、俗に「きれいな水爆」とも呼ばれる。

 

「ソーヴェスチ(良心)」と名付けられたその爆弾は、爆発力を適切にコントロールできるためフォールアウト(放射性落下物、いわゆる死の灰)を生成しないという。

 

郷田たちの基地は折りしも空前の規模の低気圧に襲われ、吹き荒れるブリザードに翻弄されているが、そんな中彼らのいるテントの足元の氷盤が大きくぐらつき、続いて海水温の異常な上昇を計測する。

 

衛星電話で入った情報によれば、どうやらロシアがソーヴェスチの実験をしたらしいという。数千メートルの深海での爆発なら、それによる火球は水圧で押し潰されてあっというまに萎んでしまう。海面には水蒸気の泡が浮かび上がってわずかに波立つ程度だというのだ。

 

ところが実際にはそれによって異常な海水温の上昇が起き、それが氷盤を融かして無数のリード(割れ目)を作り、大きな開氷面ができてしまったところもある。ぐずぐずしていると、爆発箇所のさらに熱い海水が流れてきて、氷盤は融けチームは海の藻屑となってしまう。

 

アメリカ本国に連絡を取り航空機で救出に来てもらうにも、北極を覆う低気圧の勢力は当分衰える気配もなく、航空機は飛べず、飛べたとしても氷盤が荒れていれば着陸ができない。そのうちに無線も衛星通信もつながらなくなり、とにかく迫りくる危険を回避するために、彼らは必要最低限の物資を積んで雪上車でより安全な北を目指すが、リードやプレッシャー・リッジ(氷丘脈、氷と氷がぶつかることによってできる)にはばまれ困難を極める・・・。

 

こうしたクライムサスペンスにさらに米ロの原子力潜水艦のつばぜり合いや、国益と機密のぶつかり合いが絡み、郷田たちは刻々と追い詰められていく。

 

ロシアにしろアメリカにしろ、しょせん国家というものは冷酷なものだと痛感する。そしてその冷酷な国家は冷酷な命令を出す。けれども何人であれ、人の心を持った人間も確実にいるのだということもまた痛感する。

 

本作でも人間の愚かさ醜さが描かれる一方で、信じるに値する人々が描かれ、深い満足感を抱いて読了する。

 

 

 

龍虎ならび立つ

私が坂東龍汰くんを初めて見たのは、深夜の学園もののドラマだった。経歴を見るとそれ以前にも目にしているようなのだけれど、認識したのはこれが最初だ。ヒロインの女子高校生のクラスメイトの一人だったのだが、彼だけ演技のレベルが違い印象に残った。

 

案の定坂東くんはそのあとみるみる頭角を現し、あのドラマでもこのドラマでも見るようになった。大好きな『きのう何食べた?』ではスキャンダル好きの軽い男の子(劇場版では松村北斗さん)で、そのあと今期の大好評ドラマ『ライオンの隠れ家』の自閉スペクトラム症の「みっくん」である。この難しい役での演技が大変注目を集め、これからの活躍が益々楽しみだ。

 

そして小林虎之介くんだ。鈴木亮平さんの『下剋上球児』に出ていたようだけれど、私は途中脱落し彼の記憶はない。夏ドラマの『ひだまりが聴こえる』で、難聴の主人公に偏見なく接するまっすぐな太一役をのびのびと演じていた。

 

そして今期のこれも大好評のドラマ『宙わたる教室』の柳田岳人役。ディスレクシアであったことを誰にも気づいてもらえず、親にも「ダメな子」と思われてきたことから、髪を金髪にして世の中をはすに見ていて、不穏な仲間とも関係があるという役どころ。

 

前作の好漢太一とは正反対の岳人を非常に魅力的に演じ、主演の窪田正孝さんも素晴らしいのだけれど、窪田さん以上に注目を集めてしまっている感がある。

 

この坂東くんと小林くん、ともに龍汰、虎之介と、力強く古風な名前であるところも気に入っている。今年大ブレイクした若手俳優の二人が、龍と虎というのも偶然だけれどなんだか面白い。

 

 

 

つるべ落とし

今日はすでに5000歩近く歩いているし、もうこのままゆっくりしようかと思ったけれど、やっぱり明日の朝トーストを食べたいので、4時過ぎに本の返却がてら出かけた。

 

生涯学習センターで本を返却し、新たに借りる本を決めて外に出ると、すっかり暗くなって様子が変わってしまっていた。まだ5時にはなっていない。入館するときには普通の明るさだったように思うのに、まさにつるべ落としの秋の日を実感した。

 

11月もあと2日を残すのみで、何かと気ぜわしい師走に入る。なんと1年の早いこと。流されないようにしながら、一日一日を大切に暮らさねば。昨日の私より今日の私は確実に老い、明日の私はさらに老いる。

 

今日は靴(少々履きにくいアンクルブーツ)を履こうとしたら、右足のふくらはぎがつった。こんな動作で・・・とショックを受ける。服でも靴でも、デザインの素敵さだけでは選べなくなっている。着やすいもの、脱ぎ履きのしやすいもの。美的観点の前にこうした点をしっかり考慮しないといけない。

 

暮れのせわしさに踊らされてけがをしたりすることのないように、余裕を持って物事にあたるようにしなければと改めて気を引き締める。

 

 

生涯学習センターの階段の踊り場に飾られていた、可愛らしい折り紙のツリー。高さ3センチほど。

 

市長室訪問

選挙の応援ボランティアをした人を対象に、市長室を見学させてもらえることになった。当初の設定日は日本語教室の日だったため参加することができず残念に思っていたら、市長がもう一日解放してくれることになり、市長室を見る機会などなかなかないと思い、勇んで参加することにした。

 

今日がその訪問日。その前に、一か月以上たって伸びた髪が気になっていたのでカットに朝一番で出かけたのだが、なんと5脚ある待つ人用の椅子が全部埋まっていた。電車の時刻までには1時間ほどあるが、それまでに終われるか難しいところだ。他に用事があるわけではないので、待ってみて間に合いそうになければそこで諦めることにする。

 

幸運なことにこれ以上ないくらいのタイミングで私の順番が来て、無事さっぱりした頭で市役所に向かうことができた。

 

渥美線路面電車を乗り継いで市役所4階の秘書課に行くと、12時10分前くらいだったが、すでに何人かが来ていた。12時になると学校のようなチャイムが鳴り、音楽が流れることを知った。そして新市長が現れ、いよいよ市長室へ。

 

かなりゆったりとした応接用のような部屋と、隣接する執務室(こちらにもゆったりとした応接セットが入っている)。隣の秘書課には何人かの男女が働いている。先月まで36人いる市議会議員の一人だった人が、この広い2室の主となり市役所のトップとなった。どうか初心を忘れず、謙虚に市民のために働いて欲しい。

 

新市長はまだお若くて(41歳)先が長いので、二期目あるいはいずれ国政なども考えていらっしゃるでしょうけれど、ずっと応援したくなるお仕事を期待していますと申し上げて来た。

 

NHK文化センターに通っていた頃に時々寄った喫茶店でランチを食べ、いつもの佃煮屋さんでお歳暮の手配をするつもりで帰りは路面電車に乗らず駅まで歩く。けれども目的の佃煮屋さんは休業していた。来月の初めにまた市役所まで行く用事があるので、お歳暮はその時にして今日はまっすぐ帰宅する。

 

帰路に駅まで歩いたのがきいて、本日は8459歩。家に着いて、やれやれと友人の旅行土産のラスクでお茶にする。

 

 

 

いつも行く近所のスーパーで買うカフェインレスの紅茶が美味しかったのだけれど、最近扱いが無くなった。悲しい。