「女が生きるのに、男はいらない」。この物語の書き出しの一文だ。古風なタイトルと装丁なのに現代ものかと思った。けれども、関ケ原の戦いの時代を背景にした、女の物語だった。 主人公は近江と美濃の境にある伊吹山のふもとの薬種問屋不破屋の女主人「とき…
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