あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

忘れたあんこの仲間「あんまき」と忘れちゃいけないこと

昨日の「あんこ」のエントリーに白魔女さん(id:whitewitch)が、「愛知の餡子ものというと、あんまきが浮かびます」というコメントを下さり、大切なあんこの仲間を忘れていたことに気が付いた。あんまきはその名の通り、小麦粉主体の皮で餡を巻いた和菓子だ。

 

これは豊橋の和菓子店お亀堂さんのもの。

f:id:yonnbaba:20200410062859j:plain (お亀堂さんのホームページより)

 

このお店のあんまきは、愛知産の小麦粉に青森県産の餅小麦粉をブレンド(あら、まるで私のためのお菓子みたい!)した、ふんわり、もっちもちの皮が特徴で、菓子博覧会などで受賞もしているそうだ。中の餡は、つぶ・こし・白。このほか季節もので桜あんなどもある。

 

また、同じく豊橋の人気銘菓ブラックサンダーとコラボした、ブラックサンダーあんまきという新しい商品もできた。あんまきの中に砕いたブラックサンダーが入っていて、食べた方によれば「ドウマイ(すごくおいしい)」そうだが、新しいもの躊躇派の私はまだ食べていない。

f:id:yonnbaba:20180601144448j:plain

 

私は豊橋の人間なのでお亀堂さんのもっちりあんまきに親しみがあるが、愛知県のあんまきというと、全国的には知立の藤田屋さんの大あんまきの方が知られているかもしれない。在原業平東下りの途中で、「かきつばた」を読み込んだ歌を作った場所として名高い知立である。

 

 

・・・と、今日ものんきに甘いものの話をした。ほとんどテレビのワイドショーなどは見ないけれど、毎日チェックするブログやFacebookTwitterだけでも、いやというほどつらい情報や悲しい情報が入ってくる。

 

昨日から糸井重里さんの「わかったことがある。 新型コロナウイルスのことばかり聞いているのがつらいのではなかった。 ずっと、誰ががが誰かを責め立てている。これを感じるのがつらいのだ。」というツイートが論争を呼んでいるようだ。

 

このツイートを見て、「わかったことがある」。人はどこを見て、どんな人に焦点を当てているかで、物ごとの見え方や感じ方が変わるのだなということだ。私自身は、レベルは全然違うけれども、安倍首相をはじめとする議員諸氏と同じく、今回のコロナ禍中でも収入に変化はない。政府からの補償は1円も必要としない。

 

けれども、すべての仕事がキャンセルになり、そもそもぎりぎりで生活していたため蓄えもなく、もう今日明日食べることさえ不安になっている人もいる。申告すれば30万円もらえるでしょといっても、面倒な手続きをして、振り込みを待っている間生きていくことが難しい人だっている。そういう人のことを考えたら、私は政府を責めずにはいられない。たとえ糸井さんがつらかろうと。

 

この危機のさなかに憲法改正や緊急事態条項を持ち出す神経の人に、政権を預けていることが不安でならない。選挙の結果でしょと言われても、私自身はそうした人たちに投票していないし、多数を獲得すれば、党議拘束をかけて与党内の異論さえ封じ、少数意見にも耳を傾け、より良い政策を行うはずの民主主義が機能していないのだから、私は声を上げないわけにいかない。

 

こうした反論があった場合の逃げ道まで考慮されたような糸井氏のつぶやきは、影響力の大きさも考えれば、かなり卑怯な気がしてしまう。

 

人との接触を8割減らせと言われても、食べていくために減らせない人がいること。ネットカフェが休業要請になれば、居場所がなくなってしまう人がいること。すでに全ての収入の道が断たれて、路頭に迷おうとしている人がいること。医療関係者など、業務が激増して疲労困憊している方々がいること。日々DVの恐怖にさらされている人がいること・・・などなど。まだまだ私の貧弱な頭では思いの至っていない、窮地に置かれた人々がいることだろう。

 

発言に力を持つ人たちは、弱い立場の人を思いやって発信してくれますように。あなたのこれまでの人生を、幸運なスタートとか、幸運な環境とかの恵まれた要素を除いて想像してみて欲しい。

 

どうか、手を差し伸べるべき立場にいる人たちが、弱い立場の人々のことを、自分の家族や友人として想像してくれますように!