あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

身に付ける「社会貢献」

最近夜中に放送されている『S.W.A.T.』というアメリカのドラマを見ている。違法銃器かどうかは不明だが、毎週呆れるほど激しい銃撃戦シーンがあって、こんな国でよく警察官を志すものだと感心しながら見ているのだが、ハフィントンポストの記事によれば、世界中の違法銃器は、1分間に1人以上の犠牲者を生み出しているという。

 

ハフィントンポストで、「ファッションアイテムである時計という身近な物で、様々な社会問題を知るきっかけにしたい」という思いから、スウェーデンのウォッチブランド「TRIWA(トリワ)」が2018年にスタートさせた、“Time for Change”という取り組みを紹介している。リンクの記事はいずれ消えてしまうと思うので、概要を記しておこうと思う。


 

発展途上国では、銃器を密造して売ることで生計を立てている人がたくさんいるそうだ。国の情勢が安定せず、内戦が繰り返されたり、雇用の機会がなく貧しい生活から抜け出せなかったり、その背景には、深刻な社会問題が絡み合っていて、簡単には解決できない。

 

スウェーデンNPO団体「IM Swedish Development Partner」は、1938年から、武器による暴力行為の撲滅に向けた活動を世界各地で続けていて、このたびその解決手段の一つとして、違法銃器を溶かして「Humanium Metal(ヒューマニウムメタル)」という新しい金属を作り出した。

 

そのIMが、新しい取り組みの最初の地に選んだのは、中米の小さな国エルサルバドル共和国。この国は高品質のコーヒー豆生産地である一方、「世界一治安が悪い」と表現されることもあるほどで、1980年から約12年続いた内戦中に流出した大量の銃器が未だにはびこっており、違法銃器を使用した犯罪集団による治安の悪化が大きな問題になっているのだそうだ。

 

IMは地元当局と協力し、およそ6000丁の違法銃器から、1トンを超えるヒューマニウムメタルを生産。この金属を使用して腕時計を作ったのが、IMと同じ、スウェーデンで生まれたウォッチブランド「TRIWA(トリワ)」なのだという。

 

Time for Changeプロジェクトの第一弾として、ヒューマニウムを使った世界初の腕時計 “Time for Peace”シリーズを2018年に発売してから、同社は、紛争地域の復興、武器による負傷者の支援のために売上金の寄付を続けていて、現在までに1000万円以上をエルサルバドルNPO団体に寄付しており、その寄付金は、違法銃器に頼らない新たな雇用機会の創出や、教育、リハビリ支援の活動に充てられているそうだ。 

 

命、平和、安全な暮らしなど、様々な “犠牲”を生み出してきた違法銃器を溶かして作られた腕時計。その“重み”には、多くの人の思いが込められているうえに、デザインも洗練されており、こういうものを身に付けることこそ、本当のお洒落であり、カッコ良さではないかと思う。

 

さらにプロジェクト第二弾として、世界中の海から集めたプラスチックごみを100%リサイクルして作られた“Time for Oceans”が今年発売され、この8月7日からはさらに新シリーズとして、“Time for Love”が発売された。世界中で課題になっている、LGBTQへの関心や理解促進のために作られた腕時計だという。

 

気に入ったデザインの腕時計を身に付けるだけで、世界のためになる。そんなカジュアルな社会貢献のあり方の提案だ。

 

退職して毎日サンデーの身分になったし、今はいつでもスマホを持ち歩くので、腕時計とは無縁の生活になってしまった。かつては、いくつか時計を持って服装に合わせて取り換えていたので、その中の一つにぜひこの時計を加えたかったと思う。

 

www.huffingtonpost.jp

 

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画像はハフィントンポストのサイトより