夜10時台を中心に、類型的でない良質のドラマを作ってくれるNHK、今期は、期待の「ドラマ10」枠のほうは早々に撤退だけれど、「よるドラ」で、また渋いヒットが生まれそうだ。NHK、民放問わず昨今良いドラマには漫画が原作というケースが多いが、これもまた原作は漫画らしい。
高校を舞台にした学園ものながら、「倫理」というなんともマイナーな教科にスポットを当てたところがまず渋い。学園ものと言えば熱血教師が付きものだけれど、この作品の主人公高柳はおそろしくクールだ。ここまで感情を排してしまったのは、過去によほどのことがあったのかと思わせる。
一話完結で、毎回高校生活の中でありそうな問題が浮上する。当事者たちに高柳先生が、キルケゴールやソクラテスなどの哲学者の言葉をひいて静かに語りかける。正義の押し付けも、善意の押し売りもしない。ただ、賢人の言葉を手掛かりに自分で考えさせる。ここがとても良い。
喫煙は嫌いなのだけれど、高柳を喫煙者設定にしているのを興味深く見ている。「定時に帰る主義です」と、周囲に合わせたり群れたりすることの一切ない孤高の教師高柳に、ますます期待は高まる。

原作コミック第一巻の表紙

山田裕貴さん演じる高柳先生
※本日夜11時30分、全8回の4回目が放送になります。