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10年先もやっぱり楽しい『10年先も君に恋して』

NHKのオンデマンドを利用するのなら、絶対見たいと思っていたドラマがある。放送時にもリアルタイムで見ていたけれど、忘れられなくて、機会があればぜひもう一度鑑賞したいと思っていた作品だ。

 

今回U-NEXTで思いがけなくNHKの見放題パックを利用することにしたので、『昨夜のカレー明日のパン』の次に念願のそのドラマを見始めた。内野聖陽さんの「一人の人物の二役」ともいえる演技が印象的な、『10年先も君に恋して』である。

 

老舗出版社に勤める文芸編集者・小野沢里花は、読書家で仕事熱心だが、なぜか男運が悪い。ここ最近、里花の周辺でトレンチコート姿の怪しい男が出没して付きまとってくる。実はその男は、2020年の未来から来た将来の夫・円山博だが、「将来、自分と里花は修復不可能な状態にまで悪化する」という理由で、里花と自分の結婚を阻止するべく未来から現れたのだった。しかし、里花は現在の博と運命的な出会いを果たし、互いに惹かれあってしまう。                Wikipediaによるあらすじ)

 

主人公の里花を上戸彩さん、未来からやってくる夫を内野聖陽さんが演じる。上戸さんのほうは未来のシーンは少ないが、内野さんのほうは毎回1時間の枠の中に現在の30歳の博と40歳の博が入れ代わり立ち代わり現れる。それが本当に同じ顔かたちの別人(典型的な口下手の理系男子だった博が、未来では仕事が成功しテレビのコメンテーターなどもして如才ない大人になっている)なのだ。

 

特に印象的なのは、ヒロインと初めて出会うシーン。里花が担当作家の家を訪ねた帰りにバスの中で二人は出会う運命だったのだが、未来の博の希望に従ってバスに乗らなかったにもかかわらず、里花は帰り道の途中の公園で博と出会ってしまう。彼女の前に現れた30歳の博は、もう全然違うのだ、未来から来た40歳の博とは!髪型や服装が違うのは当たり前だけれど、なんと内野さんは目が違うのだ。30歳の博は、まだ学生気分の抜けやらぬ、世の中の汚濁を知らない目をしている。

 

物語はなんとか二人の恋愛を思いとどまらせようと奮闘する40歳博の意に反し、だんだん深まっていく。そして、9年間の結婚生活で心が離れてしまっていた博だが、過去の里花と何度も会い話すうちに、再び彼女への愛が育っていく。

 

運命の出会いも時間とともに褪せ、互いを思いやる気持ちを忘れ、心が離れてしまうことがある。本当に手放してしまっていいものなのか。失ってから、その大切さに気付くのではないか。どうか二人とも見誤らないで・・・と切なくなる。

 

今年の大河ドラマを書いている大森美香さんのオリジナル脚本。10年半ぶりに見たが、またしてもストーリーに感動し、内野さんの10年という時の経過の演じ分けに今回も舌を巻いた。純でキラキラした目をした30歳博には、胸がきゅんとなってしまう。

 

2010年の作品で、二人が離婚の危機を迎える10年後の未来は2020年という点も興味深い。実際の2020年はコロナ禍真っ只中だし、思ったほど世の中は進歩していないよ。デフレは克服できず、1000円硬貨(劇中に登場する)なんて全然必要としていないんだよと、未来の博に教えてあげたい気分だ。そうそう、博さんが研究していた宇宙エレベーターも、まだあまり進んでいない(のではないかな?)。

 

 

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