あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

散歩のご褒美

夢を見ているのかと思った。でも、夢ではない。けれども大型犬にしたって大きすぎるし、第一体つきや姿勢がまるで違う。

 

歩いている私の眼の中に、その動物の姿が入った。一心に草を食んでいる。急遽コースを変更して、その動物のいる方に行ってみることにした。半信半疑でその信じられない生き物のいるほうに歩く。やっぱりポニーだ。

 

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正真正銘ポニー!

 

冬になってから、横着を決め込んですっかり家の中でのウオーキングばかりだったが、春の陽気に誘われて、久々に松根油の松林のある公園まで出かけた。戦争中、飛行機の燃料にするため松の幹から油を採取した、その人間の愚かな仕業の痕跡が、今も松林の多くの木の幹に残る、あの公園だ。

松根油(しょうこんゆ)哀話 - よんばば つれづれ

 

 

そばでずっと見ていると、広場でサッカーをしている少年たちの中の一人が私のそばに来て、「こんにちは」と声をかけてきた。私も挨拶を返し、好奇心に駆られてあれこれ質問すると、中学生と思しいその少年は実に礼儀正しく答えてくれた。

 

写真撮らせてもらいましたと言うと、「一緒に撮りましょうか」と言ってくれる気遣いまで見せる。この公園のすぐそばの家で、もう5年ほど飼っているのだそうだ。ここにはしょっちゅう来ているのに、このポニーとは初めて遭遇した。

 

私たちが話している間、ポニーはひたすら草を食べている。家で与えているという干し草より、フレッシュな草はやはりおいしいのだろうか。触ってもいいという許可をいただき触らせてもらう。

 

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サニーちゃん、と言うのだそうだ。知らない人が触ってもまるで動じない。おっとり加減がなんともかわいい。

 

国道をまたぐこの公園の、道と鉄道の線路を挟んだ反対側に馬場があることは知っていたが、まさか自分の生活圏のなかにポニーとはいえ馬を飼っている家があるとは知らなかった。

 

可愛い動物と、そして素敵な少年に出会えたことが、引きこもりから抜け出して戸外に散歩に出たご褒美のように思えた、昨日の出来事。