あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

入間みちおの「閑話休題」

ドラマ『イチケイのカラス』を楽しく見ている。今週の第7話は、主人公入間みちお(竹野内豊)が弁護士をやめ裁判官を目指すきっかけになった、12年前の事件の真相に迫る重要な回だった。

 

冤罪で収監され獄中で自死した被告の遺族が再審請求し、主人公たちの努力もあって、開かずの扉と言われる再審の扉が開かれる。その審理の証人であるブティック経営者の女性にイチケイの面々が話を聞きに行ったシーンで、主人公のみちおがちょっと息抜きという形でブティックの商品について女性経営者に尋ねる。「閑話休題、このジャケットいいですね」(私のおぼつかない記憶頼りなので正確ではない)。

 

みちおさん、やってしまいましたね!間違えやすい言葉の代表格ともいえる「閑話休題」。見本のように間違って使ってしまった。「本筋の話からそれますが」というように使っているが、「閑話休題」はそれた話から本筋に戻すときの言葉だ。

 

主人公の設定が、高校中退で最終学歴は中卒という人なのでご愛敬だけれど、そうであればここでイチケイの誰かのツッコミが当然入るはずなので、脚本家が間違って使い、現場でも訂正されることなく通ってしまったのだろう。東大法学部卒の切れ者という設定の、某刑事ドラマの主人公がたびたびおかしな敬語を発することを思えば、まるで問題にならないが、一瞬アッと思ってドラマにおいて行かれることにはなる。

 

そんなちょっとした言葉の間違いはあれど、上司からの出世をちらつかせた圧力も跳ね返して正義を貫く検察官(升毅・山崎育三郎)や、女性初の最高裁判所長官候補と言われながら、自身の間違いを認めて潔く辞職する判事(草刈民代)など、ああ、現実にもこうした勇気と義侠心を持った人がいてくれたら!と思わずにいられない話だった。

 

 

f:id:yonnbaba:20210519151152j:plain

裁判の傍聴席にはいつも「みちおを見守る会」のさまざまなメンバーが陣取る。第2回のミルクボーイ(ファンです!)。