あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

収縮させていく時代

私の住む豊橋市では、この秋にまちなか図書館というものが開館する。

 

まちなか図書館

 

この計画が公表されてから、民間に管理委託する方式でなく直営式にと求める市民の活動などいろいろ曲折もあったようで、オープンも当初の計画より大幅に遅れたが、いよいよあと4か月ほどでスタートする。

 

今朝、スタンディングのグループLINEに、このまちなか図書館問題に長くかかわってきた人の新聞記事が投稿された。今日から三日連載されるとのこと。内容は、まちなか図書館の開館に伴って、市内の二か所の図書館の閉館時刻が2時間(平日21時までが19時まで)繰り上げになることへの問題提起だった。

 

まちなか図書館はその名の通り街中にでき、豊橋駅から徒歩数分と便利だが、マイカー利用者にはかなり不便になる。夏季は特に涼しくなった夕方から利用する高齢者も多いのに、この閉館時間繰り上げで締め出される高齢者はどうすれば良いのかというような内容だった。

 

「長年の生活の中で身につけてきた日常的に図書館を利用するという文化的な習慣は、向山図書館の開館時間の短縮によって、永久に奪われることになるかもしれない。高齢者の出かける機会を奪うことは、認知症や寝たきりのリスクを高めることにもなりかねない重大な案件である」という感情に訴える論調だ。

 

すぐに賛同の意見が投稿されたりしたが、私はちょっと違う意見を述べた。現役世代が早い閉館で不便というのなら分かるが、比較的時間にゆとりのある私たちのような年金世代は、閉館が繰り上げになるのなら早めに行けばすむことだ。

 

年中無休の24時間営業というコンビニエンスな営業体制は確かに便利だ。しかし、民間のそのコンビニエンスストアさえ、本当に24時間営業の必要があるのかと問い直される時代だ。長年の放漫経営のツケで、いまや国も県も市町村も、日本中ほとんど財政難。行政サービスも、費用対効果を考える必要に迫られている。

 

十分な情報を市民に知らせないまま、色々なことが決まり進んでしまうことが問題だという指摘もある。そうした傾向もあるのだろうけれど、市民の側も自分の足元に火がつくまで無関心な傾向も否めない。自分の暮らしに不便や損害が出て初めて騒ぎ出す人が多い(自戒も込め)。

 

今回このことが話題になったので調べてみたら、市民の図書館利用状況の詳細なpdfデータが見つかった。それを見ると、高齢の利用者は思いのほか少なかった(一番利用の多い世代は50代)し、平日も週末も夕方6時以降の利用者は非常に少なかった。緊縮財政ということを考えれば、やはり閉館時刻繰り上げも致し方ないかと思う。

 

子供の頃、親の財布からは無尽蔵にお金が出てくるような気がしていた。でも少し成長すれば、親の懐も案じるようになった。まして、右肩上がりの時代に集票のために拡大しすぎた住民サービスも、いまやどこでも縮小させなければやっていけなくなっているのだから、いままで当たり前のようにあったサービスが縮小されるからと言って、脊髄反射のように「けしからん!」と声を上げることは避けたい。

 

・・・と市井の片隅のいち市民でさえ、市の財政状況を案じているというのに、昨年から今年にかけての、コロナ関係の中抜きやオリンピックのための湯水のごとき税金の使い方には、本当にほんとうに腹が立ってたまらない。

 

この恨みはらさでおくべきか!

でも、一人でいきり立っても迫力に欠ける。ぜひ、みなさんで!!!

 

 

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