『CALI K9』はネットフリックスオリジナルのドキュメンタリー番組。シーズン1を楽しく見ていたら、あっという間に終わってしまった。もっと見たい。ぜひシーズン2を作ってほしい。
カリフォルニア州オークランドにある犬の訓練センターCALI K9(California Canine)の訓練士ジャス・レバレットさんが、依頼を受けて犬の訓練をする様子を6回にわたって紹介している。
凄腕の訓練士ジャスさんと愛犬スラッシュ。
第一回は実にアメリカらしく衝撃的な話だ。路上生活者と一緒にいたとき銃撃を受けて、その路上生活者は亡くなり、ピットブル(アメリカではピットブルが人気犬種らしく、このドキュメンタリーにも何回か出てくる)のレディマクベスは左前足を失った。
ブレンダンさんがそんなレディマクベスを引き取ったのだけれど、過酷な体験のためブレンダンさん以外の人間には異常に警戒してしまい、彼の友人に嚙みついてけがをさせてしまった。このままでは飼い続けられなくなる(安楽死)と、ブレンダンさんはジャスさんを頼った。
ジャスさんと出会ってからのレディマクベスの変わりようには目を見張る。飼い主の家に通って訓練するケースもあるが、このケースでは彼は犬をセンターに預かり訓練していたが、マクベスはどんどん変化を遂げた。飼い主以外の人間も信頼に値すると知り、命令に従い、褒められることで、表情まで柔らかくなっていく。
I rescued @ladymacbeththedog about 18 months ago - thanks Jas Leverette @calik9 for retraining her and helping her socialize with other people as part of a @netflix show ‘Canine Intervention’...check out episode 1 to see her story pic.twitter.com/dujvsYhT3Q
— Brendan Wallace (@BrendanFWallace) 2021年2月25日
ブレンダンさんと幸せそうに暮らすレディマクベス。
エレンの部屋というトークショーでのジャスさんとスラッシュ。
人間を同居人もしくは下僕のようにすら思っていそうな、猫の自由さやお気楽さ(と言ったら猫には猫の憂いがあると叱られそうだが)を愛している私だけれど、犬の忠実さも嫌いではない。賛否かまびすしいオリンピックの陰でも、テロ警戒のために探知犬が今日も堅実な仕事をしてくれていることだろう。
このドキュメンタリーの最後の回は、犬の保護活動をしている女性の話だった。保護犬が増えすぎて犬たちの環境が悪化し、精神的に問題を抱える犬が増えてしまい、彼女の精神も肉体も限界に達していた。
ジャスさんがその保護センターに現れた時、彼女は天使を見た気がしたと言っていた。引き取り手に敬遠されがちな黒い犬や大型犬など、より問題のある犬を4頭選んで彼は訓練センターに連れ帰り、きちんとしつけをしたうえで、里親まで見つけていた。
ジャスさん自身、子供の頃に飼っていた犬が人を噛み、安楽死させなければいけなくなったというつらい経験をしていることもあって、しつけがきちんとなされないばかりに安楽死となる犬を一頭でも減らしたいという使命感に燃える。
「悪い犬はいない、ただ無知な飼い主がいるだけ」と言うジャスさんの言葉には、犬への愛と信頼があふれている。