今日8月9日は長崎の原爆の日。今日の式典では、かの人はまともに原稿を読むことができたのだろうか。つい先日の不注意を繰り返すなどということは、まさかあるまい。以前のどなたかのように、使いまわしの同じ文章ということもないと信じたい。
長崎の原爆というと、何年か前の鈴木京香さん主演のドラマ『だから荒野』を思い出す。ドラマのストーリーそのものはいま一つのように感じたが、品川徹さん演じる、原爆で両親と妹を失い現在は語り部をしている山岡という人物と、長崎の原爆資料館の使い方が印象に残っている。
このドラマの山岡という人物も生き残ってしまったことの罪悪感にずっと苦しめられていたが、彼に限らず、戦争で生き残ったたいていの人が、多かれ少なかれ罪悪感を抱えて生きてこられたことだろう。だから、戦争体験を積極的に語る人は少なかった。平和な時代に、若いころのいじめを武勇伝であるかのように、平然と語る人々とは大きく違う。
一時期ユネスコの活動に参加したおかげで、たくさんの戦争体験者のお話を聞くことができた。実際に体験した方から聞く印象はやはり強い。その戦争体験者がいなくなるということは平和の証でもあるのだけれど、これからこの平和な状態を保つ努力をどう行っていくのか・・・。