あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

TBSのアレとコレ

今日はTBSテレビの『ひるおび』で、八代弁護士の謝罪を見ようと思った結果、延々と自民党総裁候補の河野氏の話を聞かされる羽目になった人がたくさんいることだろう。これはもう先週からの周到な炎上商法かとさえ思ってしまう。

 

私はこんな展開になる可能性も考えて、録画で該当部分だけ見たのだけれど、河野氏の部分の長かったのに比べ謝罪シーンはあっという間で、早送りの時にうっかり通り過ぎてしまい、少し戻してやり直す羽目になった。しかも本人の言葉は予想通り言い訳に過ぎず、とうてい謝罪と言える代物ではなかった。すぐ局あてに抗議のメールを送った。

 

そしてもう一つのTBS。『TOKYO MER』が終わった。よほどリアルタイム視聴しようかと思ったが、やはりCMが鬱陶しいと思い昨夜は見ずに休んだ。朝からドラマの録画を見ることはまずないけれど、我慢できず朝から再生。早く見ないとSNSの興奮にもひたれない。

 

最終回は喜多見ドクターとレスキュー隊の千住隊長という2大戦闘ヒーローがなかなか登場せず、ちょっとイライラしてしまった。まあ、もちろん大筋の展開は読めているのではあるけれども。

 

思った通り、物語中盤から相当MERに心が傾いていた厚労省の医系技官音羽と、先週あたりからちらちらと翻意の兆しを見せていた白金厚労大臣の働きで、MERの危機は回避され、今回の連続爆破テロ事件も死者ゼロで終わった。しかも、テロリスト椿は喜多見によって一命をとりとめ、続編(劇場版かもしれない)への布石も打たれた。

 

妹を救うことができず魂が抜けたようになっている喜多見医師が、メンバーや周囲の人々と乗り越えてきた修羅場を回想するシーンの過去映像の使い方は効果的だったし、白金大臣の指示で近隣自治体からの応援の救急車両が次々に到着する場面や、爆発現場に、かつて助けた(第3話)SITの隊員や隊長(山田純大)が登場する展開には胸が熱くなった。

 

暗い気持ちになることの多い世相の中、本当にこのドラマはすがすがしい気分にしてくれた。ただ惜しむらくは、全編通して最後までの悪人はテロリスト椿と天沼幹事長の2人だけなのに、その二大悪人が揃って小粒過ぎたことだ。

 

脚本の描き方に深みが足りなかったうえ、残念ながら演じた城田優さん(役柄によっては素晴らしい役者さんだが)と桂文珍さんが「いいひと」過ぎて、その不足している影の部分までを感じさせられなかった。この悪役の物足りなさが、このドラマを少し軽いものにしてしまった。

 

あと、本当に小さなことだが、喜多見が妹の持っている水筒が椿からの爆弾だと気づいた時、なぜ「捨てろ!」と言ってしまったのかということだ。普通の人ならいざ知らず、紛争地で医療活動をしてきた設定の喜多見なら、「静かにそこに置いて、離れろ」と指示するのではないか。しかもその後も、そのミスを悔いる言葉が一度もなかった。

 

まあ、ここで妹を犠牲にする必要があったのだから仕方がないが、フィクションであるドラマは、設定はどんなに奇想天外でもいいが、見ているほうが醒めてしまわないよう、細部でつまずかせないでほしいというのが私の願いだ。

 

このドラマの中の与党幹事長の天沼が、「国民はつまらないニュースにすぐ夢中になって、我々の都合の悪いことはすぐ忘れてくれる。本当にバカで助かるよ」というようなセリフを言うシーンがあった。政治家に都合の悪いニュースを『報道特集』のような番組が一生懸命報道する一方で、同じテレビ局が、『ひるおび』のような国民の目をそらさせるつまらないニュースや番組の量産に励んでいる。

 

 

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