ご近所さんにいただいた、農家の方の手作りという切り干し大根がそれは美味しかった。スーパーで買う普通のものと同じ切り干し大根だろうかといぶかってしまうほどの美味しさだった。好きでもあるし乾物は重宝なのでぜひ買いたいと思うが、残念なことに売り物ではない。
長男がまだ大学生だった昔、バイトの家庭教師先で上等の鰻をごちそうになって帰り、「お母さん、鰻っておいしいものだったんだね」と言ったことを思い出してしまった。かくのごとく、何であれピンとキリでは同じ品物かと思うほど違うものだ。
今回の世界同時発生のコロナ禍で、政治のピンとキリも分かり易い形で目に入ってしまった。Twitterのような気軽につぶやく形が広がると、無警戒な本音もポロリと漏れやすく、人間のピンとキリもくっきりと現れてくるような気がする。
ただ、先進国としてはキリのほうの政治をしていることが露見しても、人としてキリのほうであることを世間に呆れられても、自分自身は正しいと信じて疑わないのか、それとも開き直っているのか知らないが、恬として恥じない人のなんと多いことか。
外から自分を見る意識を忘れず、生き方についての美意識を持ちたいものだと、人のふりを見て、我がふりを直さねばとつくづく思うことである。ごくごく庶民的な切り干し大根であっても、ふっくらと「ごくうま」の切り干し大根になりたい。
すっかり私のおなかに収まって、最後の方なので全然美味しそうに見えず、切り干し大根さんに申し訳ない・・・。