50ウン年前の2月14日、17歳の私は手編みの手袋とチョコレートを入れたプレゼントの袋を持って登校したものの、結局意中の人にそれを渡すことができないままバレンタインデーは終わった。
それから何年か、私の部屋の押し入れにその手袋の入った袋は眠っていた。いつ処分したのだったか、今はもう思い出せないけれど、渡したかった一学年先輩のその人のことは、今もくっきりと覚えている。
めでたく渡せたチョコよりも、渡せなかったそのチョコレートが一番思い出深い。
こんなのもあるのね!(アマゾンのサイトより)
次男が毎月のように帰省するようになってはや9か月。いい加減慣れてもよさそうなものだが、またしてもプチ脱力気味だ。けだるさに加えて今回心が重いのは、楽しかった時間の反動に加えて、次男と話したこの国の未来の暗さや、その中でまだまだ長い時間を生きていかねばならない人たちを案じるゆえだろうか。
バレンタインなどと、浮かれる気分にもなれない若い人も少なくないことだろう。どうか、誠実に生きる若い人たちが、希望を持てる世の中になってほしいと願うばかりだ。