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本からつながる愛『配達あかずきん』大崎梢著

先日読んだ『サイン会はいかが?』が良かったので、同シリーズの最初の作品である本作をリクエストしておいた。届いたという連絡が市民館からあり、早速受け取り、そして読了した。

 

駅ビル6階に位置する成風堂書店を舞台に、正社員の木下杏子と法学部学生でアルバイトの西巻多絵のコンビが、周辺で起きる事件や謎を名推理で解いて見せるお話だ。

 

毎回素晴らしい推理力を発揮する多絵は、プレゼント用の包装を3回も失敗してしまうような不器用さだが、本作に登場し、配達先で事件に遭遇してしまうアルバイトの博美はおっとりのほほんのとんちんかん。

 

それでなくても現代の書店は大変だと言われているのに、こんなバイトさんばかり雇っていて成風堂さんは大丈夫?と心配になってしまうが、でも、自分の生活圏に複数の書店がありその中に成風堂があれば、迷わず成風堂を利用するなと思う。本はどこで買っても同じだけれど、こんな魅力的な店員さんが揃っている成風堂は、ひいきのお客さんがいっぱいいることだろうと思う。

 

収録の5つの作品

「パンダは囁く」近所の独居老人に頼まれた本を買いに来た男性が見せたメモは、まるで暗号のようだった。「あのじゅうさにーち いいよんさんわん ああさぶろうに」。杏子と多絵はこの謎を解き、その裏にあった大変なことに気付く・・・。

 

「標野にて 君が袖振る」成風堂のお得意様の老婦人が失踪したと、その娘が手掛かりを求めて杏子のもとにやって来る。額田王の歌が出てきたり、光源氏のような美男の高校生が登場する、ロマンあふれる物語。

 

「配達あかずきん」成風堂の定期配達先である美容院ノエルで事件が起きる。発端は成風堂が届けた雑誌だ。店の責任問題にもなりかねない事件を、杏子と多絵が解き明かしていく。そうしているうち、ノエルに届けた博美が駅の階段から落ちるという事故も起き、やがてそれは事故ではなく故意に突き落とされた事件だと分かる。一体誰が何の目的で・・・。

 

「六冊目のメッセージ」仕事人間でプライベートではろくに本も読まなかったという女性が、「長期入院中、母親が届けてくれた本が楽しくて救われた。母は成風堂の店員に選んでもらったと言う。母は田舎に帰ってしまったが、その素敵な選択をしてくれた人にお礼が言いたい」と成風堂を訪れる。けれどもそれらしい店員は成風堂にはいない。名探偵コンビが調べていくと、意外な人が浮かび上がり・・・。

 

「ディスプレイ・リプレイ」出版社の販促活動のディスプレイコンテストに、将来は広告業界志望というアルバイトの角倉夕紀が興味を示す。学校の友人たちとぜひやってみたいと言うので応募することになる。素晴らしいディスプレイが出来上がるが、翌日無残に黒いスプレーをかけられた姿で発見される・・・。

 

どれもみなそれぞれに面白いが、私は「六冊目のメッセージ」が最も心に残った。本を送られた女性、その本を選んだ人、どちらも人物像が好もしく、それゆえ物語の展開もすんなりと受け止められ、心を動かされた。シリーズ第2作の『晩夏に捧ぐ』が届くのが待ち遠しい。

 

 

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今日、墓参のあと食べたちょっと豪華なお昼 「季節の料理長おすすめ弁当」

 

今月の献立は

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