あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

ヤンキー物に「ハマる」なんて・・・

冬ドラマの『ファイトソング』では、コミュニケーションの苦手なミュージシャンを好演していた間宮祥太郎さんが、春ドラマではなんと、いつの時代かというバリバリの特攻服を着て、金髪を逆立てたヤンキーを演じている。『ナンバМG5』。

 

千葉最強のヤンキーで今はトラック運転手の父(宇梶剛士)と、同じく千葉で名をはせたレディース総長だった母(鈴木紗理奈)、高校在学中に関東を制覇し地元のヤンキーからカリスマとあがめられた兄(満島真之介)、妹も中学生ながら改造自転車を乗り回しているという筋金入りのヤンキー一家難破家の次男坊剛(間宮祥太朗)は、家族皆の兄以上のヤンキーにという期待をひしひしと感じているが、実はごく普通の高校生活に憧れていた。

 

かくして、主人公剛は県内屈指のヤンキー校である市松高校ではなく、秘かにその隣にある白百合高校に入学し、通学途中で特攻服から学生服に着替えるという高校生活を送っている。剛のこんな二重生活を知っているのは、家族の中では、子犬の時に拾ってくれた剛に恩義を感じ、彼を「アニキ」と慕ってやまない飼い犬の松(この柴犬がまた大変にチャーミングで、このドラマの魅力の何割かを占めていると言ってもいい)だけだ。

 

憧れの普通の高校生活は、胸をときめかす女の子(森川葵)にも出会い、彼女と一緒に美術部に入部し順調にスタートしたのだが、次々と波乱が巻き起こり、果たして剛の高校生活はどんなことになるのやら・・・。

 

コミック原作とのことでハチャメチャな展開なのだけれど、役者さんたちがみなその役にぴったりで、演技の加減も絶妙で、見ている側はすっかり難破家モードに巻き込まれて、一緒に笑ったりハラハラしたりしてしまう。

 

主人公一家がヤンキーぞろいとはいえ、とても家族仲が良く、何のドラマであれ、問題のある家庭が描かれることが多いこの頃には、にぎやかに家族そろって食卓を囲み、父親の「やうし」でワイワイと食べ始めるさまには心が温まる。

 

運動神経の良い間宮さんの喧嘩シーンはもちろん迫力があるが、金髪に特攻服のヤンキー姿も黒髪に詰襟の学生服姿もどちらも似合って魅力的で、新しい間宮さんの魅力が開拓されている。コミック原作のヤンキー物ということで偏見を持ち、まさかこんなに楽しく継続視聴することになるとは思いもしなかった。

 

 

初回を見逃された方も、コロナの影響で先週はメイキング映像だったので、まだ今夜が2回目です。