あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

間接民主主義の危機?

今までにも何回か触れてきた、豊橋市の「新アリーナ問題」。再検討保留を公約にした新市長の誕生と、その後再び動き出しそうな状況になって、市民が署名などで上げた反対の声もあって一時凍結されていたが、今年5月その新市長が当初の計画通り豊橋公園内に建設と表明したことで、情勢は一気に険しくなっている。

 

hikikomoriobaba.hatenadiary.com

 

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今までのような請願署名では力が弱いからと、今回は住民投票条例制定を求める署名を行うことになった。全国に1800ほどの自治体があるが、この住民投票条例を制定している所は100もないという。それくらい厳格で大変な署名活動らしい。

 

それでも、とにかくこのまま何もしないでいれば、豊橋の中心部にある憩いの場所の豊橋公園の緑は削られ、今後何十年も赤字を出し続けるであろうアリーナが建設されてしまうというので、その困難な署名集めに取り掛かることになり、今日は私がいつも本を借りるので利用している地域の市民館で説明会が開催された。

 

準備した会場からあふれるほどの人が集まり、盛会だった。この勢いで署名も順調に集まることを祈りたい。私は民生委員なので署名活動の受任者にはなれないのだけれど、人を勧誘したり署名を頼んだりは私の苦手な分野なので、内心ほっとしている。

 

それにしても、「アリーナは必要だが、場所は豊橋公園以外で」という公約を掲げていた新市長が、みごとにその公約を翻し、現職4選を阻むために応援した私たち市民は、小中学校の給食費無償化とともに、二つの大きな公約を反故にされて、裏切られたという感が非常に強い。

 

この活動の代表の話によると、このアリーナ建設は、2016年の安倍政権時、市街地に公園を持つ都市にアリーナを作るという構想が持ち上がり、その条件に該当するからか、当時の佐原市長が官邸に呼ばれて、安倍首相から直々に建設を持ちかけられたとのことだ。

 

なんでもこれに従って建設すれば、当初費用は国と県の補助があって市は三分の一の負担で済むうえ、とにかくこの「市街地に公園を持つ自治体が・・・」という条件に当てはまると、非常にお金が入ることになっていると言う。

 

新市長もいざ現実に市長になってみると、こうした美味しい話をたっぷりと聞かされ、見事に翻意する気持ちになってしまったのだろうか。

 

この条例制定のための署名は選挙権を持つ住民の2%が必要とのことで、豊橋市の場合6000人なのでそれほど遠い数字でもないような気もするけれど、40日ほどと期間が短いうえ、たとえ既定の数の署名を集めても、自民党会派が圧倒的多数を持つ市議会で、あっさり否決されてしまう可能性が高い。来春はその市議会議員選挙もあるので、これに反対すれば投票しないぞという市民の圧力が強ければ、逆転もあるかもしれないが。

 

それにしても、国と言い地方と言い、およそ国民・市民の声を聞かない政治が続く。もちろん昔だとてそんなに庶民のための善政が行われていたわけではないが、今ほど大胆に無視されてはいなかったように思う。

 

こんなに署名活動に励まなければ市民の思いが届かないのなら、インターネットの発達した現代、間接民主制などやめて、ネットで住民の意見を問えばと思う。議員など全廃すれば、どれほど税金も浮くことか!

 

などと腹が立つけれど、政治や選挙に関心のない国民の選んだ社会なのだ。安倍政治以来、恥も外聞もなく大っぴらに「今だけ、金だけ、自分だけ」に走る為政者が跋扈するようになってしまい、本当にあの人物の存在は大きかったなと、変な感心をしてしまう。この影響を廃するのに、私たちはこれからどれだけのエネルギーを費やし続けるのだろう。

 

 

ふ~っ、疲れるッ!  (gooさんのサイトよりお借りしました)