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ロスジェネ世代の物語『First Love初恋』【追記】今夜『ひきこもり先生』!

ネットフリックスで配信されているドラマ『First Love初恋』。ヒロインの運命があまりにも「私って不幸でしょ」という展開に辟易(それでも演じているのが満島ひかりさんなのでだいぶ救われるが)して、途中脱落していたのだけれど、今朝ハフィントンポストのサイトで雨宮処凛さんの記事を読んで、そうか、これはロスジェネの物語だったのかと認識した。

 

www.huffingtonpost.jp

 

しかし『初恋』の二人は、ロスジェネ世代ゆえにと言うより、ヒロインの不運な交通事故によって運命の歯車が狂いだしたように思う。ロスジェネ世代の青春の時代を背景にしてはいるが、二人の悲運は時代的なものではなく個人的なものだ。

 

その点では、前に取り上げた『花束みたいな恋をした』のほうが、主人公たちの世代こそロスジェネよりだいぶ新しくなるが、就職や労働環境は相変わらず厳しく、しかも無邪気に愛し合う二人は、まさにその時代背景によって引き裂かれていく感があり、それだけに見ていて切なさが胸に迫った。『花束・・・』の二人が恋をしたのが1970年代とか1980年代だったら、何の障害もなく結婚し、子育てをして平和な家庭を築き、実直な納税者になったことだろうと思う。

 

記事の中で雨宮さんも書いているが、確かに1990年代の後半あたりは、「911テロやアフガン戦争はまだ起きてなくて、バブル崩壊後の不況と言われつつも、なんだか時代は今よりずっと明るかった」のだ。フリーターという言葉も、もう正社員でボロボロになるまで使われたりしない、自由に働くのだという働く側から生まれてきた、希望を感じる言葉だったように思う。

 

雨宮さんが言うように、「特にロスジェネでバイトをしていた層は、私も含めてみんな〈景気回復までのつなぎ〉だと信じていたし、そんな状況がまさかそれから20年以上も続くなんて、そして30代、40代になる頃には一部がホームレス化するなんて、誰も思ってなかった」のだ。

 

政治の力で、いくらでももっと違う未来が作り出せていたはずなのに、どんどん富の偏在は強まり、弱者はさらにさらに生きにくい世の中になってしまった。その間何度も何度も国政選挙があり、確かに一度政権交代も起きはしたのだけれど、不運な震災にも遭遇し、あっさりと有権者はもう一つの選択肢を育てることを放棄して、カルトと強く結びついた政権にすべてを委ねて来てしまった。

 

このドラマが好評のようだけれど、せっかく見るのなら、ただ運命に翻弄される二人に涙するだけでなく、背景にある時代をしっかり考えてほしいと思う。何も考えなければまたズルズルとこの暗い時代が続き、このあとの25年はさらに悲惨な結末を準備すると思うから。

 

 

主演の満島ひかりさん佐藤健さんと、若い頃を演じる木戸大聖くん八木莉可子さん。

 

 

【追記】

紹介しなければ!と思っていて忘れてしまった。本日深夜1時38分からNHK総合で『ひきこもり先生シーズン2』の再放送がある。2021年に放送された作品の続編で、今回は前後編の2回のみだったが、コロナ禍での子供たち(中学生)の思いを描いた素晴らしい内容だった。

シーズン1を見ていなくても十分楽しめるので、ぜひ録画するなどして見ていただきたいと思います。