西さいたま市(架空)のポンコツオーケストラがドラマの中心。市長(生瀬勝久)は音楽で街の活性化を図りたいと新しいシンフォニーホールも計画しているが、市長と対立する市会議員の本宮(津田健次郎)は、なんとしてもこの大赤字の交響楽団を潰し、同時に市長も失脚させたいと画策する。
市長の息子は、世界的に有名なマエストロ常葉朝陽(田中圭)。市長はポンコツ楽団を立て直させるべく、息子を騙してドイツから呼び戻す。楽団員たちのやる気のなさにも呆れドイツに戻ろうとする朝陽だったが、10年前に突如消えた天才ヴァイオリニストの谷岡初音(門脇麦)が西さいたま市役所で職員としてひっそりと働いているのを見つけ、彼女を巻き込むことで、父の期待に応えようとしていくという物語。
最初はえっ、田中圭さんが気難しいマエストロ?といぶかったのだけれど、徐々に朝陽という人物も見えてきて、回が進むごとに魅力的になってきている(田中圭さんは、指揮の練習を昨年の6月から始めていらしたそうだ)。
そして、何と言ってもこのドラマの一番の魅力は、毎回入るオーケストラの演奏シーンだ。役者の方たちは、経験のある方もいれば今回楽器に初挑戦という方もいるようだけれど、クランクインの前からその楽器の練習に励んだ方もいるようで、あまり違和感を感じずに楽しめている。
第3話の「威風堂々」は孫の吹奏楽部の演奏会でも良く聴いた曲で楽しかったが、今週放送の第6話の、横浜みなとみらいホールでの「カルメン」の演奏シーンは、港の絶景をバックにした素晴らしいものだった。
毎回本宮市議の妨害が入るのだが、最後には皆の協力でその苦難を乗り越え、素晴らしい演奏を披露してくれて、すっきり留飲を下げながら音楽を楽しむことができる。
あとは、子供の時に強いトラウマを抱えてしまいソロ演奏が難しくなっている初音が、そのトラウマを乗り越えられるかどうかだ。まだあとしばらく葛藤は続くのだろうが、最終的には当然めでたくそれを克服して万々歳・・・となるのだろう。そう分かっていても、ワクワク・ドキドキさせるものがこのドラマにはある。願わくはあまり恋愛要素を濃くしないで、マエストロ・楽団員の「お仕事ドラマ」路線で駆け抜けてほしい。
素晴らしいシーン (ワウコリアさんのサイトから)