あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

8500歩の旅

私の住む豊橋市には、全国的にも珍しい手漕ぎの渡し舟が残っている。一度乗ってみたいと思いながら、地元ゆえいつでも行けるという気持ちで、戻ってからも30年以上たつのにいまだに乗っていなかった。

 

出不精で、大好きな家でぐだぐだしているのが好きなのだけれど、この4月に、敬愛する方を知らないうちに亡くしてしまっていたことを知った無念さから、なるべく会いたい人には会いに行き、行きたいところにはさっさと行くように心掛け始めた。

 

その一つで、ずっと気になっている渡し舟に乗りに出かけることにしたのだ。まずは渥美線豊橋駅まで出る。そこから1時間に2本ほどのバスに乗って創造大学まで行く。そこから渡し舟の乗り場は徒歩7~8分。

 

乗り場に到着。今は引き潮で水位が低い。満ち潮にはコンクリートの桟橋の途中まで水が来るそうだ。

 

渡し舟「ちぎり(豊橋市のマーク)丸」と公務員の船頭さん。午前は8:00~12:00、午後は13:00~18:00まで適宜運航。船が反対岸にいる時は川辺に設置されたカネを叩いて呼ぶと来てくれる。

 

渡し舟に乗った後、このあたりのうどん屋さんにでも入ってお昼にしようと計画してきたので、着いた時刻は11時半くらいだった。ちょうど川辺に車で来ていろいろ荷物を広げている男性にお店を聞くと、こちら側には何もないと仰る。

 

その方が「女船頭さんをやってみませんか」と言う。衣装も船も皆揃っているのだそうだ。普段は助手もいて撮影などをしているらしい(でも船頭さんによればいつもいるのではないそうで、体験できたのはラッキーなのだそうだ)のだが、今日は一人とのこと。

 

こちら側には食事する所もないのなら、渡し舟がお昼休みに入ってしまう前にとんぼ返りで戻った方がいいかなと思ったが、何事も経験だし、こうして誘っていただいたのも何かの縁かと思い、やってみることにした。

 

いかが?

 

衣装を着けて撮影して、それでもまだ1時にはならないので、染まりそうな緑と賑やかなウグイスの鳴き声が響く周辺を散歩したりして時間を潰し1時になるのを待って、カネを叩いて向こう岸の船頭さんに来ていただいた。

 

船頭さんにバス停周辺にお昼を食べられるようなお店があるかお聞きすると、創造大学の学食で食べたらどうですかと言われる。それもまた楽しいかも知れないと思い、お勧めに従って学食に向かうことにする。

 

朝から今日のお昼はうどん屋さんと思っていたので、私のお腹はすっかりおうどん気分になっていたのだけれど、学食にはうどんはおろか麺類はまるでなかった。そこで「辛味噌豚丼」というのをお願いすると、残念なことに今日はもう売り切れとのこと。仕方なくカレーライスにする。カウンターの戸棚の中から副菜にサラダを選ぶ。これで418円。さすが学食。

 

昼時を過ぎていたので空いていて、ちょっとまごついていると職員の女性が親切に教えてくれて、落ち着いていただくことができた。

 

バスも1時間に2本はあるようだし、あまり時刻を気にして動きたくないと思い、今読んでいる文庫本を持って出かけた。帰りのバス停でその本を読んでいたら、京都の和菓子屋さんの話の中に「水無月」が出てきて、今カレーでおなか一杯と思ったばかりなのに、無性に水無月が食べたくなってしまった。

 

 

というわけで帰りに駅ビルの和菓子屋さんで購入した水無月

 

本日は8513歩。

 

 

向こう岸の大きな建物が豊橋創造大学。渡し場はこの大学の裏手にある。ここまで行くバスの停留所にも「橋」とつく名前が多く、昔は水郷だったのかなと推察される。地名も「牛川」。