あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

ロッシェル・カップさん講演会@豊橋

神宮外苑の再開発見直しのためにも、今日の東京都知事選の投票率が上がってくれるといいなと思う。

 

その神宮外苑の問題を始め樹木を伐採しての再開発について、さかんにX(旧ツイッター)で声を上げて下さっているロッシェル・カップさんが豊橋で講演をされるというので聴きに行ってきた。

 

会場の参加者はほぼ市内在住者だが、zoomでの参加者は他の地域の方もいたらしい。ロッシェルさんは歯切れのよい話し方で、明快に日本の多くの再開発の問題点を話してくださった。

 

日本の場合だいたいどこもこうした開発が「知らないうちに決まって」(サザンオールスターズの曲の歌詞)いることが多い。文句が出ると「知らせました」と行政は言うが、たいてい広報誌などに小さく載せている(「やっている感」)だけだ。ロッシェルさんの知るアメリカの場合は、対象地区の住民には郵送で知らせる義務があるとのこと。

 

また、計画時に環境評価をするが、それが日本ではそれを事業者がするので、当然都合の良い結果しか出さない。アメリカは第三者のグループが評価し、良い結果が得られなければ当然計画は中止になるが、日本ではこうした計画はいったん動き出したら決して止まらない。中にはダム計画など50年以上も前の計画で現状にはとっくに合わなくなっているのに、それでも進めようというものもあると言う。

 

行政側に樹木の伐採を追及すると「移植します」「植樹します」と言うが、長い間そこで生きてきた樹は簡単に移植できない。したとしても、やがて枯死してしまう可能性が高い。移植のための運搬に便利なように強剪定する(ほとんど幹だけのように)のも問題だ。また、新しい木を植樹してもすぐもとの樹のように大きくなるわけではない。木の本数ではなく、「樹冠率」を問題にしないといけない。

 

現在日本中で神宮外苑豊橋の新アリーナのような計画が動いているが、そうしたものの中身が全て「金太郎飴」のように同じだと仰った。ロッシェルさんの口から出た「金太郎飴」に驚いた。

 

大きな建物を造ろうとすると、たくさんの地権者と買取の交渉をしなければならないが、公園のような行政が持っている土地は開発者にとって非常に都合が良い(おまけに近頃では「うまいこと話を進めれば」考えられないような値引きまで受けられるのだ。ここまではロッシェルさんは仰らなかったが)。

 

こうした開発と闘う方法として、

ネット署名

マスコミにアピール(近頃ほとんど絶滅危惧状態だが)

SNSで情報発信する

政治家に声を伝える

必ず投票する

若い人の参加を広める

法律改定のため活動する

などを挙げられた。

不買運動という方法もあるが、三井不動産に対する不買運動はどうすればいいのか難しい。伊藤忠に対しては、株主総会で株主から追及があったそうで、株主になって声を上げるという手もあるのかも知れないと・・・。一人ひとりは弱小株主でも、束になれば?

 

今までにいくつかの成功例があるが、それらはみな市民が声を上げたからだと言う。私たち豊橋市民も、住民投票のための署名は二度にわたって市長及び市議会に蹴られてしまったが、活動を工夫しながら新アリーナの建設を止めるために頑張っていかなければ!

 

今回の企画の主体は30代から40代と思われる若い女性たちで、この日も浴衣を着たり会場に野の花を飾ったり、今まで参加してきた集まりとは明らかに雰囲気が違った。都知事選の一人街宣の様子を見ても、若い女性たちは手にしたポスターも柔らかで明るい雰囲気だし、それを手にして立っている女性もお洒落で素敵だった。見た人がまねしたくなるような活動でなければ、広がりを期待するのは難しいだろう。

 

 

このポスターとても素敵!