あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

ドキュメント72時間スペシャル

今年7月に放送された『フランス・パリ 街角のマンガ喫茶で』の再放送の録画を観た。フランスで日本の漫画やアニメが非常に人気があるのは知っていたが、マンガ喫茶まであるとは驚きだ。

 

当時大学生で日本のマンガオタクだった青年が母親と一緒に開業し、18年がたつと言う。その頃はまだフランスで日本のマンガはあまり知られておらず、本の数も7000冊ほどでマニア向けの店だった。今は2万冊の品ぞろえで、息子さんは仕入れのために日々飛び回っているそうだ。充実のマンガのみならず、カップ麺や菓子なども日本で見慣れたものが並び、店内で食べている人もいる。

 

スタッフが声をかけると、通訳がフランス語にする前に日本語で返事を返す男性がいた。マンガ好きが高じて、日本のマンガをフランス語に翻訳して出版する仕事をしているという。

 

彼が一番好きなのは手塚治虫の『火の鳥』。人間くさく善と悪がグレーなところが良い。日本は子供だましをしないストーリーが多い。完璧じゃなくて欠点があったりと、人間的なキャラクターが描かれている。子供向きだからシンプルにと考えがちだが、実は子供はいろいろ考えている。

 

自分の会社は年間100冊ほどの新刊を出しているが、ブームだから何でも売れるというわけではない。少女マンガ、特にラブコメ系はあまり売れない。そのわけは、これらは男のためにきれいになろうとか頑張ろうという主人公が多いが、欧米の女性たちは男のために活躍したいわけではないから共感を得られにくいらしい。

 

日本は今たぶん世界で一番大きいというか、強い影響力のある国だと思うという彼の話は、日本人にとって非常に示唆に富んでいるように思う。

 

約束のネバーランド』を読む女性。パリ第1大学に通っていて法律を専攻、おととい進級試験が終わったから来たと言う。試験がとても難しく卒業するのは大変なのだそうだ。勉強は1日8~9時間。

 

マンガを読む時間は、想像の世界や好きなものに没頭する大切な時間だと言う。日本のマンガが好きなポイントは、心理描写より主人公が成長するストリーにある。自分に自信がないとき自分はダメだと思いがちだけど、この主人公だって初めはさえなかったのに、反発して強くなっていくというのを見ると自分もベストを尽くそうと思える、マンガの力に深く感動すると話す。

 

この他にも、お互い子供を連れての再婚カップルや、双子の男の子を連れて来ている母親は隔週でここに来ると言い、聞けば離婚した夫と交互保育(1週間ずつ父親と母親のもとで過ごす)で育てているとのこと。彼女は売店で今夜食べるというUFOラーメンを買って行った。息子たちが好きだからと。

 

 

こんなにダメな政治でも、世界に強い影響力を持つ国だと言われる日本。私が日本語を教えているペルーの人たちも、「日本人は優しい」「治安がいい」と言い、20年も30年もこの国で暮らしている。政治のことを考えるといつも、自分で考えようとせず投票にも行かない人々に悲しい気分になってしまうのだけれど、どうもこれらは深部で繋がっているのかも知れないとも思う。

 

短所は長所であり長所は短所。自分で考えず周りに合わせて行動することが、治安の良さや日本人の穏やかさにもつながっているのかも知れない。自分で考え判断し、一人で行動するようになれば、もしかしたら、現在持っている日本人の良い点も失われてしまうのかも知れない。

 

自分で考え判断し、なおかつ穏やかで正直で優しい人間でいられたら、一番いいのだけれど・・・。