少し日にちがたってしまったが、先週火曜日の『宙わたる教室』の第9話がまた良かった。
第8話では、小林虎之介くん演じる岳人の過去の悪友である三浦(仲野温)に、科学部の実験装置を無残に壊された。その後も三浦は岳人につきまとい執拗に昔の仲間に引き戻そうとするが、岳人は三浦に「気の済むまで自分を殴れ、その代わりもう科学部にはかかわるな」と申し渡す。
岳人は傷だらけの顔で学校に戻り、科学部の仲間たちと夢を諦めずに、再度装置を作り直し実験を続けようとする・・・という話だったが、私が感心したのは、取り残される三浦の寂しさを描いていたところだ。
おそらく三浦は、自分と同じようにどこにも居場所を見つけられない岳人の悲しさを理解し、一緒に荒れることで慰められていたのだ。その岳人が、隠れていた能力に目覚め夢中になるものを見つけて、自分からどんどん遠ざかっていってしまうのが寂しくてたまらなかったのだろう。本当は自分も岳人のように何か打ち込めるものが欲しいのだ。
たぶん、非行に走る子やいじめをしてしまう子たちは、多かれ少なかれこうした寂しさを抱えているのではないかと思う。だからと言って正面からそれを慰めようとしても、うるさいと反発するだけだろうからことは簡単ではないけれど、この部分を解決しない限り、非行もいじめもなくならないだろう。ただ禁止したり押さえつけたりするのでは、ますます大人の目に見えにくい形に変化していくだけだ。もちろんどんな理由があろうと、犯した罪が許されるものではないけれど。
こうしたところの扱いが、このドラマをさらに深いものにしている。いよいよ今週は最終回。終わってしまうと寂しくなる。
仲野温さん演じる三浦