こんなタイトルをつけたものの、はたして今の若い人たちが「ドブ」を知っているだろうかと思った。「ドブ板選挙」とか「ドブねずみルック」とかと、あまり芳しからぬ場合に主に使われてきた「ドブ」だけれど、私たちの生活圏にもうあまり見られない。あったとしてもそれは「側溝」で、ドブではないだろう。よって「ドブに捨てた」と言っても、どの程度の悔しさかもったいなさか、そもそものドブを知らない人には伝わらないかも知れない。
私がドブに捨てたと感じているのは、昨年11月に作った補聴器に支払った34万円だ。イヤホンじゃないのだからつけてすぐ聴こえるわけじゃない、慣れるのに半年はかかる、そう耳鼻科の先生に言われ、この1年間何度も調整にも通い、家では休んでいた脳を鍛えるため本の音読(よかろうと自分で考案)という努力までしてきたが、いっこうに生活の質は改善しない。
これだけテクノロジーが発達した現代でも、補聴器の性能はこんなものなのかとガッカリしていたが、どうにも諦めきれない。そんな折り、ちょうど利用している電器屋さんの相談会の案内の中に補聴器相談のチラシが入っていたので、ダメで元々の気持ちで出かけてみた。その日は受付のみで、後日改めて専門家と訪問してくれるとのこと。
技術レベルなどどこも同じようなものだろうけれど、それでも他のメーカーの聴こえ方を試したい、ひょっとしたら・・・と一縷の望みを抱いてのことだった。これが、まさに「叩けよさらば・・・」だった。まるで違ったのだ。耳鼻科の先生はつけたからってすぐには・・・と仰ったが、つけてすぐ違った。音がクリアなのだ。だからかなり聴き取りやすい。こちらを令和の補聴器とすれば、前のものは昭和とは言わないが、せいぜい平成の前期あたりだろうかという感じだ。
私の参加する会議は、内容が聴き取れなくても大過ないし、映画館や劇場は諦めざるを得ないが、ドラマは字幕で見れば良い。けれども、複数人で話していてみんなが笑っている時に、自分だけわからないのは寂しいものだ。そしてそういう場を避けることで、認知症のリスクが上がるのも気にかかる。
一週間のお試し期間が過ぎて再来訪された電器屋さんとPanasonicの担当者さんに、私は迷わず購入の意を伝えた。今回は両耳で698,000円。これでますます最初のものは無用のものとなってしまうが、ものがものだけにメルカリで売るわけにもいかない。高い授業料だった。
耳鼻科で紹介してくれた何件かはすべて補聴器専門店だったし、私自身もPanasonicなどまるで選択肢に入れてなかったのだが、松下幸之助さんが耳が悪くなったご伴侶のために補聴器の開発を始めたそうで、60年以上の歴史があるとのこと。
これで100パーセント聴こえるようになるというわけではないけれど、かなり生活の質は改善されそうな気がする。

猫耳の付いたヘッドホンもあるんだって! (ねこちゃんホンポさんのサイトより)