あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

『阿修羅のごとく』

ネットフリックスで是枝監督の『阿修羅のごとく』を面白く見ている。『阿修羅・・・』といえばあの音楽も印象的なNHKのドラマがまず思い浮かぶと思うけれど、映画にもなり舞台化もされた向田邦子さんの人気の作品だ。

 

今回は母親が松坂慶子、長女が宮沢りえ、次女が尾野真千子、三女蒼井優、四女広瀬すず。対する男性陣は父親が國村隼、長女の不倫相手が内野聖陽、次女の夫が本木雅弘、三女の恋人松田龍平、四女の恋人藤原季節(すべて敬称略)。あと父親の交際相手が戸田菜穂さんで、内野さんの妻である料亭の女将が夏川結衣さんとくる。

 

こう並べれば、もう何と言っても女性たちはしっかり者ぞろいだし、男性たちはちょっと情けない感じが漂う。國村さんも内野さんも本木さんも、凛々しい男性役も非常に様になる人たちだが、少々情けなさをにじませるのも大変うまく、この作品ではだんぜんそちらの魅力が発揮されている。

 

私は浮気とか不倫、それに家族のドロドロは苦手なのだけれど、やはり向田さんのこの作品の魅力には抗しがたく、公開が始まるとすぐ見始めた。

 

NHKのドラマが評判になっていた記憶はあるが、ずっとあとになって断片的に目にしたくらいで、放送当時見た記憶がない。それもそのはず、放送は1979年と1980年で、私は青森に転居して舅姑と同居を始めたばかりの頃で、テレビどころではなかった時期だ。

 

今回の作品はかなり忠実に当時の雰囲気を再現しているようで、オープニングに流れるイラストと言うかアニメーションの模様や女優さんたちの服装は非常に懐かしいし、また女性たちの言葉遣いも、当時は「現代っ子」であったのであろう四女でさえ今のように乱暴なしゃべり方ではないし、母親や長女・次女の物言いも好ましい。

 

これからしばらく、物語の展開もさることながら、こうした昭和50年代の香りを十分に楽しみたい。

 

 

シネマトゥデイさんのサイトより