あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

みんな生きるのは大変だ

録画してあった『ダーウィンが来た!群れる 生きる TOGETHER』を見た。さまざまな生きものが、巨大な群れを作って移動する映像を集めたものだ。

 

タンザニアのヌーは新鮮な草を求めて1年中移動を続けるという。150万頭の移動距離は年間3000キロメートルに及ぶそうだ。旅の最大の試練は「川渡り」。川で命を落とすヌーは毎年数千頭にも及ぶとか。

 

南極海に浮かぶサウスジョージア島は、キングペンギン200万羽が集まる世界有数の大繁殖地。ここでペンギン夫婦は、たった1個の卵を交替で暖め子育てをするらしい。方向音痴な私など、これほどたくさんの仲間の集まっている所で、食事などで離れたあと、間違いなく自分の相手の元へ戻れるのだろうかと心配になる。

 

色々な生きものがいろいろな理由で、大変な数の群れで行動する。後のものはただ前のものについて行けばいいかもしれないが、一番先頭のものは、いつどうやって移動の時期や移動するべき方向を知るのだろう。

 

またそれぞれその旅はたいてい大変な困難を伴うのに、怠惰な私などは、なぜそんな危険や苦しさをおかしてまで移動するのかと思ってしまう。どっちみち苦しむのなら、同じ場所でのんびりしていて死を迎えてもいいではないかと思うのだが、そうしていたらその生物は現在まで種を繋いで来られなかったのかも知れない。

 

なかでも特に心に残ったのが、オタマジャクシからかえったばかりの1センチほどの小さなカエルの山登りだ。

 

大宰府の宝満山のニホンヒキガエルは、孵化した麓の池から100万匹が山のいただき目指して旅立つのだそうだ。標高800メートルを超える山を子ガエルたちが一斉に登る。手足などまだ半分透けているような小さなカエルが険しい山登りをする姿は、けなげで目が離せない。

 

なぜ山登りをするのかは分かっていないらしいが、大人になるまで山で過ごし、産卵期にはまた元の池に戻るのだそうだ。登るのも大変だけれど、下って元の池に帰るのはさらに大変そうだ。私など間違いなく迷子になってしまうことだろう。

 

どうにもこのカエルが気になって調べてみると、太宰府市ではこのカエルを市民遺産にしていて、守るための活動などもあるようだ。やはりこの健気な山登り姿には、誰しも心をつかまれてしまうのだろう。

 

 

地元の守る会の立札。