あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

悪いものはうまいんだ

私の好みの系統ではないなと思いながら、ネットフリックスの力を入れているらしい新作だしと、ミーハーな好奇心で『ガス人間』を見た。

 

この作品は、1960年東宝によって制作された、『ガス人間第一号』(「第」は本来は「㐧」というのが時代を感じさせる)のリブート版とか。Wikipediaによればアメリカでヒットしたのだそうだが、この時代に「ハエ男」に負けないほどの荒唐無稽な特撮映画が日本で作られていたなんて、全然知らなかった。

 

問題のガス人間を演じるのが本木雅弘さんの息子さんのUTAさんで、俳優初作品ということで、その新鮮さが得体の知れないガス人間に対する緊張感を高めてくれる。

 

怖ろしいガス人間と闘う警察側のトップを演じるのが、ピエール瀧さんというのがまたシャレが効いている。おまけに小栗旬扮する岡本刑事の「タバコは体に悪いからやめた」という言葉に対して、ピエール瀧さん扮する警視総監に「悪いものはうまいんだ」とさえ言わしめる!

 

ガス人間が命を狙う人物たちは、過去におぞましい罪を持ち、それを権力や財力でないことにしてきたらしい。ドラマでは早々と大物国会議員が失脚したが、現実のこの国は大物は少しも裁かれない。このフラストレーションをドラマが晴らしてくれるのか。いや、どれほどフィクションの中で巨悪が裁かれようと、現実にならなければ意味がない。