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見応えのあった『ライジング若冲』

1月2日の夜に、正月時代劇としてNHKで放送されたドラマ『ライジン若冲』を、例によって録画で昨夜見た。

 

枡屋源左衛門(のちの若冲)は裕福な青物問屋の長男として生まれるが、魂は絵を描くことに取りつかれていて、家業を放り出して行方不明になってしまうありさま。優しい弟の宗次郎が代わりに店を支え、兄には思う存分絵を描くようにと言ってくれる。

 

さらに力強いことには、美術に非常に理解のある僧侶大典(永山瑛太)が、まだ無名の源左衛門の絵にほれ込み、全面的に協力してくれる。こうして若冲釈迦三尊像と傑作「動植綵絵」を描きあげるまでを、彼に「若冲」の名を与える不思議な仙人・売茶翁(石橋蓮司)、絵描き仲間の池大雅大東俊介)などをからめて描いてゆく。さらにのちの円山応挙である岩次郎(中山大志)を狂言回しのように配置して、軽妙さを添えている。

 

若冲役が中村七之助さん、弟宗次郎が渡辺大さんで、どうみても七之助さんがうんと年下に見えると思ったのだけれど、調べたら大さんの方が1歳年下だった。いつの間にか若いと思っていた中村屋のお坊ちゃんも、いい年になっていた。

 

若冲が精魂込めて作品に挑む様子は興味深いし、仕上がって相国寺の壁にずらっと掛けられた釈迦三尊像動植綵絵の三十三幅の軸を、蝋燭の炎が照らし出すシーンは圧巻だった。これを「なんとかK」という高精細な画面で見れば、さらに感動するのだろう。

 

ただ、一つだけ残念だったったのが、若冲と大典を今はやりのBLの色で描いてしまったことだ。前半はまだほのめかす程度でよかったのだが、最後のシーンで「死が二人を分かつまで」と、若冲の手の上に大典が手を重ねる描写は大いなる蛇足になってしまった。事実がどうであったにしろ、二人の間の感情はほのめかすにとどめるべきだった。あからさまに描いてしまったことで、せっかくのこの素晴らしいドラマが、一気に安っぽくなってしまいもったいないことをした。

 

 

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BSが見られる方は、16日に「完全版」が放送されるそうだ。