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あの人たちの中にもいるのかな?『こうちゃん』須賀敦子著

『ミラノ 霧の風景』など名文で知られる須賀敦子さんの不思議な作品。児童書のような体裁であるが、これはやはり大人のために書かれた本だ。でも、こどもの心をすっかり失くしてしまった人には、響かないかもしれない。

 

ふとい鉄のくさりをひきずりながら、西から東へあるいて行くという「こうちゃん」は、いったい何を、誰を、象徴しているのだろうと考えさせる。私は読む人の中にひそんでいるこども、なのかなと思ったが、それぞれが好きなように受け止めればよいのだろう。

 

さびしがりやで、秋になるとどこかに行きたがりかえりたがる、こうちゃん。ひとりでオーバーが着られないこうちゃん。澄んだ月の夜、萩の咲きみだれた野で、「ぼく ねむれない。ぼく ねむれない」とすすり泣くこうちゃん。

 

酒井駒子さんの絵が素晴らしい。79ページのこの作品の半分近くを占める美しい絵は、抱きしめたくなる「こうちゃん」とともに、きっとあなたも、ずっとそばに置いておきたくなる・・・。

 

 

 

 

岩手からにんじんジュースと一緒に届いたブルーベリー。