あとは野となれ山となれ

こどもや動物、みんなが安心して暮らせる世界でありますように・・・

本・動画感想

屋形「朔」の一員になりたい『舞妓さんちのまかないさん』

今楽しみに見ているドラマは『舞妓さんちのまかないさん』だ。漫画が原作でアニメ版もあるらしい。実写ドラマはネットフリックスの制作で、監督が是枝裕和さん、フードコーディネーターは飯島奈美さんとくれば、視聴意欲はいやが上にもあがる。 舞妓になるの…

ロスジェネ世代の物語『First Love初恋』【追記】今夜『ひきこもり先生』!

ネットフリックスで配信されているドラマ『First Love初恋』。ヒロインの運命があまりにも「私って不幸でしょ」という展開に辟易(それでも演じているのが満島ひかりさんなのでだいぶ救われるが)して、途中脱落していたのだけれど、今朝ハフィントンポストの…

今年もこの本から『マインド・クァンチャ』森博嗣著

2023年の読書を、このシリーズから始められて嬉しい。 数日前、市民館からリクエストしていた本が届いたという電話をいただいた。市民館が通常業務を始めてから、何度か本を借りに行こうかと考えたけれど、何となく行かずに録りためた年末年始のドラマなどを…

子供たちのダンスに目を見張る『マチルダ』

ずっと掃除モードにスイッチが入らずにいたが、今週は毎日一か所程度のペースで進め、小さな家でもあり、一人の静かな暮らしで大した汚れでもないし、大掃除とはとても言えない手抜き仕事でもあって、なんとかほぼ終了と言える状態になった。 イギリスの舞台…

さあ、年末!と、『すべてがFになる』森博嗣著

今朝はまず家じゅうのクリスマスの飾り物を片づけた。頭もいよいよ年末モードに切り替えなくては・・・と言いながら、読み終わった『すべてがFになる』についてちょっと書いておく。 『フォグ・ハイダ』以降すっかり森博嗣さんに「はまって」しまい、このシリ…

信じるとは考えずに済ますこと『ブラッド・スクーパ』森博嗣著

森博嗣のヴォイド・シェイパシリーズの2作目。相変わらず無垢で純粋で剣にひたむきなゼンの魅力があふれる。 今回のゼンは、竹の中から得られたという真珠のように美しい「竹の石」という宝を有する庄屋の家に滞在することになる。それを削って飲めば不老の…

遭遇しそうな都会のサバイバル『とにかくうちに帰ります』津村記久子著

うちが大好きな私は、たまに気の進まない所用で出かけた時など、用事が済むともう、とにかく「うちに帰ろう!」と思ってしまうので、市民館の書棚でこの題名を見つけた時「あ、よくある私の心境だ」と親近感を抱き、読んでみようと思った。 ところが、読んで…

百年の浪漫に遊ぶ『青年のための読書クラブ』桜庭一樹著

1919年創立で、東京は山の手にある聖マリアナ学園という名門女学校を舞台とする物語。100年後の2019年、翌年から系列の男子校と合併するという、女子校としては最後の年で物語は終わっている。 5つの章から成り、『シラノ・ド・ベルジュラック』『マクベス…

益々ひかれていくゼンの世界『ヴォイド・シェイパ』森博嗣著

2週間ほど前に読んだ『フォグ・ハイダ』の、シリーズ第一作である『ヴォイド・シェイパ』を読んだ。『フォグ・ハイダ』があまりに素晴らしかったので、なんとしてもシリーズをちゃんとすべて読みたいと思い、図書館にリクエストを出した。著者のおびただし…

機械油と汗と本、『わたしの、好きな人』八束澄子著

さやかは12歳。小学6年生だが、彼女を生むとすぐ母親はいなくなってしまったため、父と8歳上の兄と、あとは彼女が物心ついた時からずっと住み込みで家業の鉄工場で働いている従業員の杉田と、男ばかりの家庭の唯一の女性であるゆえか、主婦代理のような、…

不思議な魅力をたたえる『フォグ・ハイダ』森博嗣著

タイトルに惹かれ書棚から取り出した。そして装丁にまた惹かれた。等伯の松林図屏風を思い出すような、しっとりとした霧の風景。パラリと開いて読んでみると、なんと時代小説だった。 こうして読み始めた本作品だったが、期待を裏切らない、素晴らしい作品だ…

こんな刑事さんがいて欲しい『刑事の怒り』薬丸岳著

テレビドラマでは、椎名桔平さんが演じた夏目刑事が活躍する物語だ。夏目には、犯罪によって植物状態にされてしまった娘絵美がいる。妻の美奈代が、奇跡のような回復を願って、付きっきりで世話をしている。 そんな辛い私生活を背負った刑事夏目が、持ち前の…

やっぱり素晴らしかったドラマ『30歳まで・・・』

テレビ東京で放送されている時に見て、途中から録画を消すのをやめて、部分的には2回目も見たドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いに慣れるらしい』を、またまたネットフリックスの配信で見てしまった。 うまく探せば見ていない作品で良いものがあるのだろうが…

こんな感じも一つの生き方『こんな感じ』群ようこ著

更年期の症状に悩む、中年独身女性3人の日常。一番年上のミユキは54歳、メイクアップアーティスト、51歳のマキコはイラストレーターで49歳のヒロコは物書きだ。ミユキは社員も抱え、しばしば海外にも飛ぶ忙しい身だが、マキコとヒロコは在宅で仕事をしてい…

この醜い時世に救い『あずかりやさん』大山淳子著

たしかカメキチさん(id:kame710)のブログで知った作品、ぜひ読んでみたいと思い市民館にリクエストした。 明日町(あしたまち)こんぺいとう商店街の西のはじに位置する、お店なのか民家なのかも判然としない地味なお店、それが舞台となる「あずかりやさん …

韓流ドラマデビュー『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で沼?

いままで、勝手な先入観から韓流ドラマはいっさい見なかったのだけれど、次男の「『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』っていうの、面白いよ」という言葉に抗えず、ネットフリックスで視聴してみた。 自閉症スペクトラムの女性弁護士が主人公のドラマで、放送した韓…

秘するゆえさらに・・・『燃ゆる想ひを』鈴木輝一郎著

「女が生きるのに、男はいらない」。この物語の書き出しの一文だ。古風なタイトルと装丁なのに現代ものかと思った。けれども、関ケ原の戦いの時代を背景にした、女の物語だった。 主人公は近江と美濃の境にある伊吹山のふもとの薬種問屋不破屋の女主人「とき…

年年歳歳の人と花『犬がいた季節』伊吹有喜著 【追記】あり

四日市の進学校、八稜高校(通称ハチコウ)に迷い込んだ白くてムクムクした犬。生徒会長の藤原貴史、美大を目指す早瀬光司郎、石窯パン工房の娘塩見優花の3人は里親を探すが思うように見つからず、学校側と掛け合い、校長の許可を得て学校で飼うことになる…

独立とはきっと自由に生きること『インディペンデンス・デイ』原田マハ著

365ページの本に24の物語。短編集と言うよりショートショート集。一つの話の中のほんの端役で登場した人が、次の物語の主人公になる。どんな人もその人の人生では主役であり、いろんな人にいろんな人生があるんだなあと、当たり前のことに気づかされ、そして…

あの人たちの中にもいるのかな?『こうちゃん』須賀敦子著

『ミラノ 霧の風景』など名文で知られる須賀敦子さんの不思議な作品。児童書のような体裁であるが、これはやはり大人のために書かれた本だ。でも、こどもの心をすっかり失くしてしまった人には、響かないかもしれない。 ふとい鉄のくさりをひきずりながら、…

8か月越しの本『お探し物は図書室まで』青山美智子著

昨年11月にリクエストした。ネットで検索して何十人も順番待ちしていると知ってはいたが、それでも、途中で忘れられてるのでは?と心配になって、市民館で確認してしまった。それがこの本『お探し物は図書室まで』である。 借りていた本を返却に行ったとき、…

のんびりほっこり『隠居の日向ぼっこ』杉浦日向子著

漫画家で文筆家だった杉浦日向子さんのエッセイ集。2005年9月の発行なので、亡くなってすぐに出版されたもの。私にとっての日向子さんは、NHKの『コメディーお江戸でござる』の解説者だ。漫画も著書も読んだことはなく、作品に触れるのは今回が初めてのこと…

大型犬の誘惑『シャルロットの憂鬱』近藤史恵著

今週は見守り当番。先ほど、プール道具の大きなバッグをぶら下げ、のんびりのんびり歩く1年生らしい最後の児童を見送って家に戻り、つい、冷凍庫のハーゲンダッツをご褒美に食べてしまった。私は夏でもあまり冷たいものは飲みも食べもしないのだけれど・・・。…

頑固爺さんの心をとかしたものは『幸せなひとりぼっち』

とりあえずという感じで録画しておいた、深夜の映画『幸せなひとりぼっち』を観た。内容は知らず、題名とスウェーデン映画という所に惹かれただけだったが、これが大変な掘り出し物だった。 主人公は、半年ほど前に最愛の妻ソーニャに先立たれた59歳のオーヴ…

罪は罪なのだけれど・・・『祈りの幕が下りる時』東野圭吾著

東野圭吾さんの加賀恭一郎シリーズ10作目の作品で、ずっと謎だった彼の母親が家を出た理由もついに明らかになり、加賀が日本橋署に移った理由など、今回の事件とともに、これまでのさまざまな疑問が解明される。 読んでいる途中でなんだか覚えのある部分があ…

浮世絵から紡いだ物語『しのぶ恋』諸田玲子著

表紙カバーに7つの浮世絵。安藤広重「目黒太鼓橋夕陽の岡」、歌川国政「五代目市川團十郎の暫」、歌川国貞「集女八景 粛湘夜雨」、鈴木晴信「縁先物語」、葛飾北斎「百物語 さらやしき」、喜多川歌麿「深く忍恋」、東洲斎写楽「二世市川高麗蔵の亀屋忠兵衛…

端正な物語を堪能、ドラマ『アキラとあきら』

元々はWOWOWの作品のようだけれど、私はネットフリックスで視聴。これほどまでに正統派の端正な経済ドラマを久々に観た。 池井戸潤さんお得意の銀行を舞台とした物語。けれども大ヒットした『半沢直樹』のような、クセの強い人物も、デフォルメされた悪役も…

疎外と受容を思う『ガラスの海を渡る舟』寺地はるな著

コロナ禍中の2021年の序章から始まり、2011年の第1章から2021年の終章まで、10年間の兄妹の物語が、兄と妹交互の視点で語られる。 兄妹の父は他の女性のもとに去り、母親は料理の仕事で売れっ子になり不在がち。そんな中、二人はガラス工芸家の祖父の手で育…

想像を絶するものとの壮大な物語『空の中』有川浩著

久々の有川さんの作品。けれどもこれは、著者のデビュー作で電撃ゲーム小説大賞を受賞した『塩の街』の次の作品で初期のものだ。よって、著者名は有川浩(現在は有川ひろ)。 近未来が舞台で、年号は200X年と記されている。今となっては過去の年号になってし…

良い物語と美味しいもの、原田ひ香著『古本食堂』は最強だ

またしても素晴らしい本に出合ってしまった。これだから読書はやめられない!と感じさせてくれた。著者はこんなに印象的な名前で、2007年にすばる文学賞を受賞後すでに著作も随分出ているようなのに、全く知らなかった。本作は今年の3月に出版(初出は昨年…