本・動画感想
もう1年半ほども前にcangaelさん(id:cangael)のブログで拝見して、興味を持ってチェックしていた本作を、4月に生涯学習センターにリクエストしたのは偶然だった。 ちょうど今、楽しみに見ているドラマ『まぐだら屋のマリア』の原作を書いている著者の作品…
主人公栞は1978年生まれ、いわゆる氷河期世代だ。大学を出て働きながら小説を書いている。大学生の時から付き合い、今は一緒に暮らしている相手の紙川は同じ年の早生まれで学年は一つ上だが、公務員を目指しながらもいまだ塾のアルバイトをしている。 紙川は…
住んでいた村が市町村合併で市になったのを機に「私も自分の可能性を信じたい」と母親が出奔し、11年間頑固な父親と二人暮らしをしている32歳の時田翼。彼と彼を取り巻く人々の物語が7編まとめられている。 舞台は九州のどこかのようで、その郡部とあって男…
ありがたいことに、長男のパートナーが安否確認のために毎日LINEをくれる。昨日はそこに「アターブルの2を見始めました」とあったので、「スワッ、シーズン2が制作された?!」と大喜びで返信した。シーズン2と謳ってはいないが、「ノスタルジックな休日…
Eテレの『ネコメンタリー猫も、杓子も』が好きで、ドラマの録画とかちあわない限り、録画して視聴する。 この間は椹野道流さんと6匹の猫さんたちだった。椹野道流さんという名前に覚えがある。たしか昨年入院したリハビリ病院の談話室におかれていて、手に…
現実逃避をして、『シンデレラクロゼット』の実写ドラマ版を一気見していた。 都会の大学生活に憧れて田舎から出てきた、素朴で明るくてまっすぐな主人公春香を演じているのが、『虎に翼』で寅子の生意気な義理の娘を演じていた女優さんだった。そうだと分か…
都会の生活に行き詰まり、住んでいるマンションを売って田舎に帰ろうとしている中年男佑作は、マンション内の年上の友人串本を訪ね、応答がないので開いているドアから中に入り串本の死体を発見する。 佑作には今このことを警察に届けられない事情があり、知…
物語りの語り手「わたし」は小説家だ。妻とランちゃんとキイちゃんという二人の息子がいる。胎教のせいかランちゃんは言葉の発達が早かったが、反対に胎教をさぼってしまったからかキイちゃんは言葉が遅い。1歳半の今も「だっだっだ」のような意味をなさな…
先週の土曜日に居室替えがあって、比較的退院の近い患者が多いという3階の部屋になった。 今までいた2階の談話室にもある程度雑誌は置かれていたので、車椅子が使えるようになるのを心待ちにして行ってみたが、ほとんどが週刊誌など私の関心のないものばかり…
先日面会に来た次男が、もうだいぶ本を読んでしまっただろうと次の本を数冊、また本棚から抜粋して持ってきてくれたのだが、その他に、「ねことじいちゃん」の新しい作品を買ってきてくれた。 この漫画は以前ブログ友だちの方が、絶対私が好きだろうと、6巻…
本作は世の中がコロナで大騒ぎになる前から撮り始めていて、途中で緊急事態宣言が出されて撮影も中断に追い込まれるという大変な事態を味わう作品となったようだ。5年で世は様変わり。そんな騒ぎを遠い昔のように感じながら、全9話を楽しんだ。 主人公は表…
4月25日に公開された映画『花まんま』の続編らしい。小説『花まんま』はもう20年も前に出版され、133回の直木賞を受賞した朱川湊人さんの短編集。私自身は映画も見ていないしその受賞作も読んでいないが、結構好きな朱川さんの美しい新作が生涯学習センター…
ネットフリックスの『新幹線大爆破』を見た。 サイトの紹介文: 走行中の新幹線に一定の速度を下回ると作動する爆弾が仕掛けられ、危機に直面した乗務員・乗客や鉄道会社、政府、警察の面々と、爆弾を仕掛けた犯人が繰り広げるノンストップの攻防戦を描く。 …
出版社のサイトから著者の言葉: 医師になって二十年が過ぎました。その間ずっと見つめてきた人の命の在り方を、私なりに改めて丁寧に描いたのが本作です。医療が題材ですが「奇跡」は起きません。腹黒い教授たちの権力闘争もないし、医者が「帰ってこい!」…
それほどたくさんクリスティーを読んでいるわけではないけれど、この作品はたぶんクリスティー作品としては少し毛色が変わっている。 1930年代のイギリス。地方弁護士の夫との間に一男二女に恵まれ、自分はよき妻・よき母であると満足している主人公ジョーン…
表紙の雰囲気から、てっきりほのぼのしたお話だと思って借りて来たが、なかなか考えさせられる内容だった。 小学三年生のミドリはドレミの歌を「ミはミドリのミ」と歌って、クラスのみんなに冷たい目で見られてしまう。ミドリの家ではいつもこう歌っていた。…
これまで何作も読んできた、好きな作家の柴田よしきさん。ほのぼのした話からピリッとしたミステリーまでいろいろ書かれる。先日リクエスト本3冊を返しに行ったとき、生涯学習センターの図書室の棚にこの柴田さんの作品を見つけたので、迷わず借りて来た。 …
この人の文章はご自分の精神安定剤だと仰って、たびたびぷよねこさんが取り上げられる南木佳士さん。興味を引かれて読んでみた。 puyoneko2016.hatenablog.jp まずは芥川賞受賞作の『ダイヤモンドダスト』。昭和63年下期、つまり昭和最後の芥川賞受賞作とい…
上下の唇がくっついた状態で生まれた少年は、それが原因という訳でもないのだろうが、極端に口数の少ない子供だった。閉じた唇を開かせるための手術で皮膚が剝がれ肉がむき出しになった唇に、医師は赤ん坊の脛の皮膚を移植した。そのため少年の唇には産毛が…
水商売で働く母と妻子ある男との間に生まれた玲斗は、父親である男に認知もしてもらえず、母は早くに死んで、祖母と二人で生きて来た。 働いていた工場を理不尽な理由で解雇され住む所も失った彼は、残りの賃金ももらえなかった腹いせにその工場に盗みに入り…
深川元町の岡っ引き文庫屋の千吉親分は、女あしらいも飛び切りうまいが、弁が立って仲裁上手どんなもめごとも丸く収める名親分だ。ところがうまい物にも目がなかった親分は、フグを自分で料理して小唄の師匠と食べ、毒にあたって急死してしまう。 あららら、…
父親と二人暮らしだった雨音(あまね)だが、そのたった一人の家族である父を交通事故で突然失ってしまう。交差点で隣に立っていた、来月籍を入れることになっていた婚約者の帆波さんはちょっとした怪我で済んだのに。 父の妹である洋子おばさんは「うちにお…
先日ちょっと画像だけご紹介した『家が好きな人』。いつも利用する生涯学習センターにリクエストしたものの、図書館のサイトでは数十人待ちになっていたので相当待たなければならないだろうなと思っていた。やはり8か月ほど待たされたので、もう世間のブー…
アマゾンプライムで『À Table!〜歴史のレシピを作ってたべる〜』というドラマを見つけ、見始めた。2023年の作品らしいが、ちょうど「ウエディングケーキ」のエントリーにいただいたレビさん(id:rinngonotane)のコメントにこのドラマのことが出てきてビックリ…
拙エントリー「いちかのミニトマト」にいただいたneruzohさんのコメントへのお返事でも書いたのだけれど、このたびミニトマトに続いて「ウエディングケーキ」問題が出て来てしまった(「いちか」は作品では「いち日」)。ドラマ『ながたんと青とーいちかの料…
『ながたんと青とーいちかの料理帖ー』を、アマゾンプライムで楽しく見ている。時代背景は終戦から少し経った1951年、ちょうど私が産声を上げた年だ。この時代の京都の老舗料亭とくれば、背景画面を見ているだけでも楽しい。そこにさらに美味しそうな料理が…
半世紀近く拘束されたのちに、やっと冤罪が晴れた袴田さんのニュースも記憶に新しいが、今野敏さんの『化合』を読んでいる最中に、ネットフリックスで横浜流星さんの『正体』が見られるようになったので視聴した。 『化合』も、検事が余命いくばくもない恩師…
この間触れたばかりの、まず間違いがないという図書館がテーマの作品。しかも著者は中島京子さんとくれば、面白くないわけがない。 主人公は喜和子さんという何とも不思議な女性。そして帝国図書館(現在の国際子ども図書館)。建物だけれど、立派な主役。そ…
横尾成吾は作家である。子供のころは長く文字を読み、大人になってからは長く文字を書いた。というか彼には文字しかなく、書いては文学賞に応募を繰り返すうち、なんとか小さな出版社の新人賞を受賞して作家としてデビューした。 少しくらいの距離なら交通機…
sumita-mさん(id:sumita-m)が言及してくださったお陰で、『ことり』の読書がより深さを増した。 sumita-m.hatenadiary.com とりわけ八幡謙介さんの深い感想には大いに刺激をいただいた。こういうことが読書会の楽しさだなと痛感する。今は一堂に会さず、場所…