あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

うららかな春の日

コロナ禍に巣立つ若者を励ますように、晴れやかな日和の今日、地元の中学校は卒業式だ。今年も出席者の人数を最小限に抑えるため、民生委員のお呼びはない。

 

民生委員になって小学校や中学校の式典に出席することになり、そう言えば数えるほどしか着ていないとはいえ礼服が古くなっていたと思い、新調した。それなのに皮肉なもので、それから間もなくコロナ禍となり、式への招待がなくなった。3月の卒業式はまだまだ冷える日が多いので、その点では助かるけれど。

 

今年の卒業生は、中学校生活をまるまるコロナ禍で過ごした子たちだ。この感染症の初期の頃に3年生になった子供たちも、緊急事態宣言でいきなり学校が閉鎖されて友達にも会えず、修学旅行も卒業式もなくなってしまって可哀そうだったが、入学以来ずっとマスクごしの青春というのもなんとも不憫なことだ。のちに同窓会などで顔を合わせ、笑い話になる日が来るだろうか。

 

1月に放送されたNHKのドラマ『ひきこもり先生 シーズン2』では、大人たちに遠慮してけなげに頑張るコロナ禍の中学生の本音を見事に掬い上げていて、非常に感動した。大人にとっては、取り返すことも可能な何十年かの中の2年3年であっても、まだ生きてきた人生そのものが十数年の思春期の子供たちには、その時間のなんと残酷なことか!

 

今までも、そしてこれからも、おそらくもうあの2020年のような年を経験することはあまりないことだろう。人類の知らない新しい感染症はこれからも発生するだろうけれど、この国のあの年のあの混乱は、政治がきちんと機能すれば(これが難しい所だけれど)なかなか生まれないだろう状況なので、稀有な経験になるはずだ。

 

人は逆境の中でのほうが学ぶことは多いと思うので、コロナ禍で若い日々を過ごさざるをえなかった方たちは、ぜひそこから得たものをかてに、これからの人生をたくましく生きていってほしいものだと思う。

 

スイセン花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」。うぬぼれはいただけないが、自分を大切にする気持ちは必要。若い人は自分を大切に、自信をもって生きていってほしい。