次男はアイドル時代のキョンキョンには特に興味はなかったと言う。けれども、検察庁法改正案以降の彼女の発言や社会に対する姿勢を見て、なんとカッコイイ人だろうと注目するようになったと。
旧Twitterでの発信や、ネットフリックス版の『新聞記者』で、赤木雅子さんの了解を得ないまま進む制作姿勢に疑問を持ち雅子さん役を降りたことなど、不安定でヘタな発言をすると干されかねない芸能界という所で仕事をしていながら、生きる姿勢が実にハンサムだ。
その小泉さんが『ピエタ』という物語を舞台化し、その公演場所が東京以外では全国でたった3か所なのに、その中に豊橋のプラット劇場が入っていることを知り、これはもう見るしかない!と感じすぐチケットを手配したと言う。私も検察庁法からの小泉さんには注目していたので、このプレゼントはとても嬉しかった。
さて、その舞台。2018年の股関節の手術以来劇場から遠ざかっていたが、まさかセリフがここまで聞き取れないほど自分の聴力が悪化していたとは思わず、劇が始まった時は愕然とした。
けれども、舞台に常時ピアニストとヴァイオリニストがいる生演奏で、登場人物による素晴らしい歌(ソプラノ歌手橋本朗子さん)や、ヴァイオリンの演奏(ヴァイオリニスト会田桃子さん)もあるなど音楽がいっぱいで十分楽しめたし、それに何と言っても生の舞台のあの雰囲気は魅力的で楽しい。
ピエタ慈善院で育った孤児エミーリア(小泉今日子)と、そこでともにヴィヴァルディ先生から音楽を習った貴族の娘ヴェロニカ(石田ひかり)や、それに高級娼婦のクラウディア(峯村リエ)など身分や立場の違う女たちが、ヴィヴァルディを通して共感し心をつないでいく物語には、小泉さんの希望が託されているような気がした。
次男によれば、小泉さんは何かの番組でなぜ社会に対して積極的に発言するのかを聞かれ、「私は特に主義主張があるわけではないけれど、しいて言えば、日本の変わる姿を見たい」と言われたとか。この物語のラストに出てくる「乙女たち」に向けての言葉は、そのまま小泉さんからこの国に生きる女性たち(そしてそれを支えてくれるであろう男性たち)へのメッセージではないかと思えた。
この後の公演は富山(8/19 8/20)と岐阜(8/26)。
人の格好良さは生きる姿勢だとしみじみ思わせてくれる人、小泉今日子さん。足元にも及ばないながらも、これからもあなたを応援し、「より良く生きたい!」と思います。
ホールに飾られていた出演者のポスター
【追記】
ブログを読んだ次男から「間違いがあるといけないので」と、元の番組を教えてもらったのでキョンキョンの発言について追記します。
武田砂鉄さんの番組で、「小泉さんは投票はあなたの声プロジェクトなどに参加されていたり、検察庁法改正案などにも発言していらしたが、そうしたことについてどう考えていますか」という質問に対し、次のように応えていらっしゃる。
”いろんな意見があって当たり前で、どっちが正しいとかいいではなく、明るい場所で(政治の)話が行われるべきだと思う。どっちに持って行きたいではなく、みんなが投票している光景が見たい。投票率がすごく高い日本を見てみたい”
【追記終わり】