「バラエティは絶対出たくない。くだらないから」という小泉今日子さんの言葉が目について、吸い寄せられるようにクリックした。
文春オンラインの記事で、小泉今日子さんと有働由美子さんの対談だ。これだけはっきり「バラエティはくだらない」という見出しが付けられるのもさすが文春、と言うべきか。言ったキョンキョンも素晴らしいが、この対談を企画し、この見出しを付けた文春も素晴らしい。
「最近はテレビのバラエティ番組で全然お見かけしませんね」という有働さんの問いかけに、キョンキョンは「絶対出たくないですね」と答えている。ちょっと出て好きなことを（いや、局の意向に沿ったことを言わされるかもしれないが）しゃべっていれば、かなりのギャラが得られる楽な仕事だろうと想像するが･･･。
あまりにきっぱりとした言に有働さんも驚いて「どういうところがくだらないですか？」と尋ねると、「どういうところも何も、素敵だと思いますか？」とキョンキョンは逆に問い返している。
私もバラエティは見ないのであまり知らないが、それでも録画したドラマをCMを飛ばしながら再生する際にも、どうしてもチラチラとは目に入る。確かに、バラエティに素敵な人が出ていることはないように思う。ドラマの番宣でやむを得ず出演を承諾することはあるかも知れないが、おそらく現在のキョンキョンはそうした仕事自体引き受けないだろう。そういう選択をするために、会社を作ったのだ。
有働 でも、小泉さんが昔、出ていた頃のバラエティと何が違いますか？
小泉 たぶん、昔と同じだからマズいんじゃないですかね。世の中がガラッと変わっていっているのに、昔のムードのまま押し通そうとしている。テレビ局は変わらないとマズいよね、と思っています。
有働 はっきりおっしゃるんですね。
小泉 はっきり言います。
有働 みんなテレビ局にケンカを売らないように、ついつい表現を和らげてしまいがちですが。
小泉 そうか……私はもうテレビに出ないと生活に困るという感じでもないし、何にももたれかかっていないので。そのために独立したところも、私の心の中にはあるんです。
このくだりなども実に小気味よい。お金に対する姿勢はこうありたい！と思う。醜い守銭奴だらけの政治家など、彼女の爪の垢を煎じて飲んだら、少しは人間らしくなるのではないか。
小泉 2020年、NHKでコロナ禍の世界について、各国の著名な学者に聞く特番がありました。そこで経済学者・思想家のジャック・アタリさんが、「コロナ後は利他的な社会になるべきだ」という話をしていたんです。それを見て「そうだ、利他的だよ！」と指を鳴らして、自分より、みんなが幸せになれるような選択をしようと決めたんです。
この部分も素敵で、この記事の前の方に「利他的な選択」という見出しがあって気になっていたのだが、やはりキョンキョンもジャック・アタリさんの話を聞いていらしたのだと納得。
権力におもねるタレントだらけの昨今だけれど、こうした真に格好いい生き方をする人を、メディアは積極的に取り上げてほしいものだと思う。まあ、ここも守銭奴だらけになってしまっている現状では難しいことだろうが。
どう、オレ格好いい？ちょっと片目細くしてニヒルを気取ってみたけど。 （WOOODさんのサイトより）
