あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

考える植物

星新一さんのショートショートに、高い知性を持った植物が出てくる作品があったと記憶しているし、モーツアルトを聞かせると植物の成長が良いとか、優しい言葉をかけているとよりきれいな花を咲かせるとかいう話も時々耳にすることだ。

 

私も我が家のポトスを見ていると、ちゃんと考えているなあと感心してしまう。ポトスは結構丈夫な植物で、私のようなズボラな人間のもとでもどんどん成長して茎をのばす。あまり長くなると切るのだが、切ったつるを捨てることができなくて、適当な容器に水を入れて挿しておく。

 

するとこれもやがて成長してまたつるを伸ばすのだけれど、この水に挿したものは、土に植えてあるものと違って伸び方もゆっくりならつるも下に伸びず横に広がるのだ。土に根を張ったものと違って、水に挿しただけのものは下に伸びるとバランスを崩して落ちてしまうから、まるでそれを避けているとしか思えない。

 

これは土に植えたポトス。少し前に切ってしまったのでまだあまり伸びていないが、放っておくと床に着いてしまいそうなほどに伸びる。

 

こちらは流しの上の吊り棚にのせた水に挿したポトス。土に植えてやれば良いのだけれど、ズボラな私は水だけでもポトスが平気なことを良いことに、水に挿したまま。ここに乗せて何年もたつが、棚より下に伸びてきたことはない。

 

先日終了した『アストリッドとラファエル 3』の第7話(9月3日放送)でも、植物の知性(ねむの木だった)が扱われていたし、その放送から間もない9月13日に放送された『科捜研の女』でも、大学の実験植物園で事件が起き、植物の発する超音波から事件の真相を探るというようなストーリーだった。

 

それから、久米宏さんのニュースステーションの頃なのでもう随分前になるが、スタジオに電極をつないだ蘭(だったか?)の鉢がたくさん並べられ、端のひと鉢に水をやり始めると、その周囲の鉢の植物とつながれたグラフがいっせいに激しく上下に動くという反応を示した(離れたものは無反応)。その様子はまるで「ワーイ、水がもらえる、ワーイ!」とはしゃいでいるように見えて、この時の衝撃は忘れられない。

 

植物など何も感じず知性などもあるわけがないと軽く考えるのは人間の勝手で、ただ人間が知らないだけなのかもしれない。動物を食べることだけが罪深いことでも残酷なことでもなく、とにかく人間は他のものの命をいただかなくては自分の命をつなぐことができないのだから、肉であれ野菜であれ、ありがたく感謝していただき、無駄にしないことがせめてもの恩返しだと思う。