あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

キャスティングの妙『俺物語!!』

少し前になってしまったが、ネットフリックスで『俺物語!!』を観た。主役のごっつい高校生剛田猛男を演じているのは鈴木亮平さん、撮影時32歳だ。作中で女子高校生たちに「ゴリラのよう」だの「親戚のおじさんかと思った」だのと言われる役ではあるが、違和感もなくまさに不器用で純情な高校生、だった。

 

いったいこの撮影でどれくらい体重を増やしたのだろう(調べたら30㎏だとのこと。それをまた戻されるのがスゴイ)。演技もさることながら、役ごとに見た目からみごとに作り上げる鈴木亮平さんには本当に感心する。

 

そしてこのシンプルなラブコメを成功させている要因のもう一つは、永野芽郁さんの愛らしさだ。ともするとあざとらしくなってしまう危険もあるヒロインだけれど、当時16歳の永野さんには全くそんなものは感じられず、ただただ可愛らしい。

 

この永野さん演じる女子高校生大和凛子が、不埒な男(中尾明慶)にからまれている。幼馴染の親友砂川(坂口健太郎)と通りがかりにそれを見かけた猛男は、生来の困っている人を見捨てておけない性分でたちまち男を蹴散らし凛子を救い出す。

 

猛男は可愛い凛子をたちまち好きになるが、後日お礼のために趣味である手作りの菓子を持参した凛子と会った時、猛男は凛子の好意は当然イケメンで女の子たちにモテモテの砂川に向かっているものと思い込む。

 

ここから猛男と凛子の行き違いの恋のドタバタが始まり、なぜ砂川はもっとサッサと誤解を解かないのかとせっかちな私などイライラするが、このシンプルなラブストーリーはもちろんそれが解けたら即終了するしかないので、なかなかそうはならず・・・というお話だ。

 

このところBLの深夜ドラマをたくさん見ている私は、どんなに女の子たちに告白されても見向きもせず、凛子の気持ちが猛男に向かっているのに気づいてもなかなか教えようとしない砂川は、ひょっとして猛男に対して友人以上の気持ちを持っているのかと疑ってしまったが、そうではなかったらしい。

 

展開が読めてしまうような「ベタな」ラブコメではあるが、キャスティングの妙で楽しい作品になっている。現実社会が息苦しい今は、こんな物語に救われる。

 

それにつけても、俳優鈴木亮平のすごさよ!

 

 

 

画像はどちらも映画.comさんのサイトより