あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

転ばぬ先の杖?濡れぬ先の傘?

今日は6の付く日で、近所のスーパーの高齢者一割引きの日、私のまとめ買いの日である。午前中は見守り隊(今日は入学式で保護者も一緒の下校なのでいらないようなものだが)で出られなかったので、昼食の後で買い物に行ってきた。

 

今まででも、この日はお米のような値がはって買い置きのきくものを中心に棚が空になることはあったけれど、今日は何となくいつもの6の日とは違った。どうやら、緊急事態宣言が出ることを予期して、思うように外出できなくなった場合のために、食料品を買いだめしているのではないかと感じた。

 

私は以前書いたように、非常時に備えてローリングストックを心掛けているので、特別に慌てて買い込まなくても大丈夫だ。そもそも、緊急事態宣言が出なくても、一人暮らしの身であれば、いつ新型肺炎罹患の自覚をしても少なくとも2週間自宅隔離ができるよう、準備している必要もある。

 

早め早めに、政府がきちんと説明をしないので、こうして庶民は自分なりに情報をかき集め、自衛手段に走り始める。それを見た周囲の人が不安になってさらに・・・と、いらぬ混乱が生まれてしまうのだろう。

 

緊急事態宣言をするにしてもしないにしても、首相がしっかり国民と「視線を合わせて」、その場合社会はこうなります、これこれは各自準備していただきたいが、何々については心配いりませんとか、誠実に自分の言葉で説明してくれれば、こうした庶民の疑心暗鬼が大分防げるのではないだろうか。

 

間欠泉のように、時折ポーンととんでもないことを言い出したり、そうでなければ美辞麗句の精神論を打ち上げるばかりで、偽りのない事実の報告や、真摯な見通しや具体的な対策はいっこうに語られない。

 

手にした杖が折れそうだったら、持っている傘が穴だらけの破れ傘だったら、どんなに心細いことだろう。私たち日本人がいま置かれている状況は、不幸なことにこれなのだと思う。頼りない杖も、破れ傘さえも、持ち合わせがないのなら、せめて素の手だけでいい、温かな手を差し伸べて欲しい。

出口の見えない闇の中にいる時、一番心強いのは、信頼できる温かな手だ。

 

 

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