あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

時間をもらったものたちは・・・

ネットで注文していた水が、今朝届いた。平常時以上に厳しくなった労働環境で頑張ってくださっているさまざまな方々のおかげで、私は今日も平穏に暮らせている。

 

星野源さんのインスタグラムの「うちで踊ろう」の曲に、「パンがなければケーキを食べれば・・・」のマリー・アントワネットを思わせるようなコラボ動画をアップした首相(周辺)には、怒りを通り越して脱力してしまう。お友達政治を7年も続けてきた結果、このような「花満開の春」しか知らないような人材ばかりになってしまっているのだろう。

 

 

4月スタートの新ドラマの多くが撮影中止になってスタートが遅れ、ゴールデンタイムに過去のドラマが再放送されるという、考えられないようなことが起きている。おかげで、気になっていた木皿泉さん脚本の「野ブタ。をプロデュース」が思いがけなく見られることになった。

 

おそらくこのドラマが放送された15年前には、まだスクールカーストという言葉は一般的にはなっていなかったと思う。本作では、いじめを受けるヒロインはもちろん、そのヒロインを人気者に仕立てていく主人公にとっても、学校は居心地の良い場所ではないようだ。そして今も相変わらず、子供たちにとって安心できる場所になっている学校は少ないように感じる。

 

欧米では今回の問題以前に、すでに教育のICT化が相当進んでいた国も少なくなく、休校措置となると同時にオンライン教育に切り換え、子供たちは家庭で学習できていることなどを、セネシオさんがブログで書いてくださっている。

 

cenecio.hatenablog.com

 

技術大国とか経済大国とか言っていた割には、日本はすっかり出遅れ(そもそも教育も自己責任とばかり、親の懐頼み)、教育内容の点でも、行事や校則などの周辺事情の点でも、すっかり時代遅れだ。それでも子供たちが楽しく通え、教育成果も出ているのならいいが、肝心な子供たちは息苦しさを感じて振り落とされ、勝ち残った子供たちとて、真の聡明さにはなかなかたどり着けない。

 

せっかくかなりの人たちが暇を余儀なくされている今は、それぞれが、どんな国で暮らしたいのか、子供たちにどんな教育を受けさせたいのか、自分がどんな労働スタイルを望んでいるのか、じっくり考えてみるチャンスではないだろうか。

 

日本人は、戦後の焼け野原から、ただただ豊かさを求めて突っ走り、バブルに踊り、饗宴のあとは長い不況やリーマンショックに苦しみ、その後は震災と原発事故などで、静かに国の在り方や人間の幸福などというものをゆっくり考えることをしないで来た。

 

今回も思いがけない大きな災難だけれど、社会を支えるために休めない人々を除き、多くの人に与えられた「家でじっとしている時間」は、貴重なプレゼントかもしれない。休日でさえ「有効に遊ばなきゃ!」と考えがちなマジメな日本人は、こんなことでもなければ、ゆっくり人生や社会を考えるなんてことはなかなかしないだろう。

 

コロナ騒動に理知的に対処している国々では、きっとこの災難のあと、社会システムを変え、人びとの考え方も変わり、次のパンデミックの危機にはこの経験が生かされることだろう。でも、感情的な忍耐論でやり過ごそうとしがちなこの国では、また次も同じあたふたを繰り返しそうな気がする。そもそも、今回のきちんとしたデータさえ、公的に残されるかどうか定かでないのだから。

 

たっぷりと時間があり、とりあえず食べる心配もしなくてよいという恵まれた条件を持つ人は、このさい、とっくりとこの国の行く末を考えたい。

 

 

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こんなときは家での~んびりテレビだニャ!

 

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ぬくぬくする場所で寝るにかぎるニャ!   byドリーム