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一週間ワクワクして待つ『MIU404』

『アンナチュラル』『コタキ兄弟と四苦八苦』(なぜ一番に『逃げ恥』を言わぬ?)の野木亜紀子さんが、またまた素敵なドラマを紡ぎ始めた。

 

野木さんの脚本とは知らないまま初回を見て、なかなか面白いし、何といっても綾野剛さん演じるおちゃめ(いまで言うところのチャラ男)な伊吹刑事が可愛らしくて魅せられた。転々として来た前任地の同僚たちの評判は、「とにかく足が速い!」しかないという役どころで、高校時代陸上部に所属し、県で1、2を争ったという綾野さんの走りっぷりも、たっぷり見られるのではと興味もそそられた。

 

第2話は殺人事件の容疑者(松下洸平)に車を乗っ取られ、人質になった夫婦(鶴見辰吾池津祥子)の物語だったのだが、この夫婦は一人息子を亡くしていたこともあって容疑者に肩入れをしてしまい、妙な逃走劇になる。松下さん、鶴見さんの好演もあって心に沁みる物語になっていた。

 

3話の、先輩の不祥事で陸上競技の大会に出場できなくなった高校生たちが、不満解消のために始めたちょっとしたいたずらが引き起こす事件も、未成年者の犯罪に社会がどう向き合うべきなのかを考えさせる内容で、見応えがあった。

 

そして今週の第4話。ホステスをしていた女性(美村里江)が、ふとしたことから犯罪に巻き込まれ、やがて暴力団フロント企業の金1億円を横領する。追われる際に銃撃を受け傷を負って逃走する。空港に向かうリムジンバス内で捕まった彼女の、スーツケースの中の1億円は消えていた。いったい1億はどこへ・・・。

 

回を追うごとに話はどんどん深みや面白さを増している。4話は美村さんの好演もあって、実に切ない物語になっていた。彼女がつぶやいた「偉い人や金持ちは悪いことをしても罰せられないのに、どうして・・・」(実際のセリフとは違います)というセリフが心に重く残る。そうだ、この国で同じこの国の法律の下に生きるものは、身分の上下も貧富の差も関係なく、ひとしく裁かれるべきだ。そうでなくては万人の心の平安は保てない。

 

舞台は警視庁の機動捜査隊。働き方改革で新設された第4部の、隊長以下5人の活躍が描かれる。隊長を演じるのは麻生久美子さん。男の子のいる訳あり女性で、どうやら星野源さん演じる志摩刑事は彼女に惹かれているようだ。今回の星野さんは『逃げ恥』のヒラマサさんとはうって変わってほとんど笑顔も見せないクールな刑事で、綾野さんの伊吹とは正反対なバディだ。

 

麻生さん演じる隊長は、切れ者過ぎず、女を武器にするのでもなければヒステリックになるでもなく、ごく自然にポジションにおさまりながら、警察という組織の問題にしなやかにさりげなく切り込んでいくのが小気味よい。どうも今までの警察物の雰囲気と違うと思ったら、野木さん脚本で、プロデュース新井順子、監督塚原あゆ子という『アンナチュラル』の女性トリオだとのこと。マッチョじゃない警察物が生まれそうだ。

 

3回目の最後にチラっと菅田将暉くんが出たので、おそらくだんだん物語に絡んでくるだろうことも楽しみ。深い社会問題を含んだこのドラマ、軽そうな印象を与えるタイトルで損をしているような気がする。

 

 

 

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