あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

あとがきが良かった『殴られた話』平田俊子著

『殴られた話』『キャミ』『亀と学問のブルース』の三篇が納められている。どれも同時に複数の女性を相手にする不実な男と、男の正体を知って傷つき、それでも男を忘れられない女の物語。男も女も私の好みではなく、読んでいてイライラした。

 

ちょうど『RBG 最強の85歳』の前後編の録画を見て、ルースと夫マーティンの二人の誠実な愛の姿に感動したばかりで、ヒトの恋愛感情にも随分といろいろな形があるものだなと変な感慨が浮かんでしまう。

 

この本を借りる気になったのは、「香りの少ないあとがき」と題されたあとがきの冒頭を読んで気に入ったからで、全部読み終わってみたら、やはりこのあとがきが一番好きだった。

 

著者平田俊子さんは詩人だそうで、読売新聞で「こどもの詩」欄の担当をなさっているらしい。その評は優しく、本作の雰囲気とはかなり違うようだ。あとがきの雰囲気も、楚々として遠慮がちな人を想像させる。Wikipediaによれば「ブラックユーモアを多用した乾いた作風」とあるので、今風に言うと「ギャップ萌え」タイプの方か。でも私はブラックユーモアはあまり好まないので、これ以上作品は手に取らないかもしれない。

 

 

昨年11月に、地域の防災訓練でコロナ禍中での避難所運営を学び、感染症の試練の中にいるからと言ってほかの災害が起きない保証はないと覚悟してはいたが、実際に震度6強という地震が起きた。10年前の大地震の余震とのことで、またしても宮城・福島ということに心が痛む。道路や電気や水が一刻も早く復旧し、穏やかな日常が取り戻せますように・・・。

 

このままいけば、コロナが収束しないまま、またしても梅雨時には豪雨被害なども起きないとも限らず、現在のような機能不全とも思える政府で大丈夫なのだろうかと心配でならない。

 

 

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