あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

呆れるほど長閑だったテレビ番組

鍋にパスタを投入し、ゆで上がりまでの時間をセットする。その残り時間を見ながら、隣の口でソースの調理に取り掛かる。こんな時、私はしばしば子供の頃に見たテレビ番組を思い出す。『危険信号』。

 

スタジオに設置された円形のレールの上を、模型の電車が走る。一周するのが一分くらいだったろうか。レール上には大きな風船が一つ置かれている。出場者は二人一組で、一人はその風船が割れないように見守る。もう一人は少し離れた場所で、集中力を要する課題に挑む。

 

課題に夢中になっていると、先端に針を付けた電車が風船に達して風船は大きな破裂音を立てて破れてしまう。そうしたらゲーム敗退なので、見張りをしているほうの出場者は、危なくなると相棒を呼ぶ。あまり早く呼びすぎると、課題のほうがはかどらず、引っ張りすぎれば風船が割れてしまう。ハラハラドキドキ・・・という趣向だった。

 

今思うと、なんてのどかなゲームかと思うが、これが当時は結構な人気番組だった。まあ、まだまだチャンネルも少なく、テレビの存在自体にかなりの値打ちがあった時代なのだけれど。

 

このほかにも、『それは私です』とか『私の秘密』とか『ジェスチャー』など、一家そろって楽しめるのどかな番組がたくさんあった。歌番組でも、流行歌や流行歌手は一切登場しない、『みんなで歌おう』などという、驚くほど健全な番組があった。小島正雄さんと梓みちよさんが司会進行をして、一般募集した「アルプス一万尺」の替え歌を会場の聴衆と一緒に歌ったりしていた。

 

いまやテレビは往時の精彩を失い、奇をてらうユーチューバーの行動がしばしば問題になる世の中になっている。人間の新しい刺激を求める心はどこまで行くのだろうか。

 

 

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画像は「ケペル先生のブログ」というサイトからお借りしました。

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