あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

虫の居所の悪い日

今日の日本語教室、バングラデシュの若いお母さんが連れてくるMくんがなぜかご機嫌が悪く、途中からかなりぐずって泣いていた。

 

私の受け持つグループはこの教室では一番上のクラスでもあり、日常会話にはかなり慣れた人たちなので、このМくんのような様子を「虫の居所が悪い」という表現をすることを話した。スタッフのYさんは「かんの虫」という言葉も例示。これというはっきりした原因が分からず具合が悪い時に、日本ではよく「虫」のせいにするという話をした。

 

話しながら、昔の人はこんなふうに訳の分からない困ったことを「虫」のせいにして、体の中の虫が悪さをするのだから子供がむずかるのも仕方がないと、おおらかに受け止めていたのではないかと思った。

 

いろいろなことが科学的に解明され、因果関係がはっきりさせられて、結果には原因がある、原因を取り除いて困った結果を改善するのが当然・・・のようになって、トラブルは減っているのかも知れないけれど、もしかしたらいささか息苦しくなったのかも知れない。

 

赤ちゃんに限らず、なんだか分からないけどどうもイライラするとか、どうも気がふさぐとかいう日もあるもので、そんなときは虫の居所のせいにしてゆるゆるとやり過ごす・・・。そんないい加減さも人生には必要なのだろう。

 

けれども、そうしたいい加減さを認めるには、どうも今の社会は余裕がなさ過ぎる。11月もはや半ばを過ぎ、師も走るという12月もすぐだ。ますますせわしなくなるばかりの日々、せめて毎日が日曜日の自分のような存在は、社会のクッションたるべく、気持ちに余裕をもって暮らしていたいと思う。

 

 

日本語教室の帰りに、久々に会場のそばのパン屋さんに寄って、昼食用のパンを購入。クロワッサンサンドも、店名のついたパン、アンプレシオンもとても美味しかった。カフェインレスの紅茶とともに。