あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

日本語学習者の話から

なぜか近頃日本語教室の新規学習者が多く、今日も2名の方がいらした。来なくなる方や休む方も多いので対応できているが、昨年末の生徒がみな来ていれば、席が足りなくなっている状態だ。

 

今日いらした2名は女性と男性でどちらもブラジルの方だったのだけれど、女性のほうは私と同じ集合住宅に住んでいて、帰り道で一緒になった。なるべく簡単な日本語を心掛けて話をした。

 

仕事をしていらっしゃるか尋ねたところ、宗教の活動でホームレスの人の食糧支援をしているとのことだった。日曜日に駅前で行っているらしい。

 

このことを聞いて少々感慨深いものがあった。30年ほど前駅前で日本語教室を開いたのは、日本に働きに来た大勢のブラジル人のために、豊橋ブラジル協会の人に頼まれてのことだった。当時のブラジルは政治が不安定で、なかなか良い仕事もなくインフレもひどい状態だったらしい。

 

今年初めに新しい政権が発足して、まだまだ安定とはいいがたいブラジルかも知れないけれど、経済成長率という数字で見る限り、1980年代後半あたりは相当開きのあった日伯が、いまや逆転さえしている。

グラフは世界経済のネタ帳より

 

そして、来日したブラジル人が日本のホームレスの食糧支援をしてくれている。

 

上のお子さんは小学生だそうで、勉強大変でしょうと言うとしっかり頷かれた。外国人の児童生徒に対する言語の指導が非常に手厚い国もあるようだけれど、日本ではとても制度が整っているとは言えない。

 

平成28年の資料だが、豊橋市には1500名ほどの外国人児童生徒がいるのに対して、非常勤嘱託員の相談員が17名、スクールアシスタントのポルトガル語対応4校、タガログ語対応2校、有償ボランティアの登録バイリンガルがのべ39名という、どうみてもとうてい行き届くはずのない数字と内容(支援者の不安定な身分など)になっている。

 

この辺りも日本お得意の「自助努力」「自己責任」か・・・。問題になっている入管法難民認定と同じく、徹底的に外国の人に、いや、人間に、冷たい政治の国なのだと痛感する。

 

せめて日本語教室を通じて、温かで楽しい日本を経験してもらえたらと願う。

 

今年はスパティフィラムが5つも蕾を付けた!