あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

そんなにレアですか?

昨年の秋ごろ、ネットでたまたま目にしたアナリストの記事に興味がわき購入した飲食業の会社の株が、半年余で4.5倍近くまで値上がりした。大半はすでに売却して十分売買益を得て満足(冷蔵庫分は優に獲得)だったのだが、先週あたりに株主優待券まで届いた。

 

以前にもちょっと書いたけれど、私はあまり株主優待が好きではない。今回のこれも、お店が利用しにくい場所にしかないと、また煩わしいだけだなと思ったが、調べてみたら我が家から徒歩圏内に系列のお店があった。

 

そこで、来週の三連休は予定があるからと、また墓参を兼ねてちょうど金曜日の夜に帰省した次男と、昨日、その優待券を片付けるべく最寄りのお店に出かけた。

 

今の時代に安いことがうけて成長しているお店なので、はなから味に期待はしていなかったが、土曜日ということもあってお店は大繁盛、それに反して人手は足りていないようで、最初のビールを飲み終わった次男が呼び鈴を押してもいっこうに店員さんが来ない。待っても待っても来ないので、この忙しさ、ひょっとして忘れられている?と思いその後二度三度、何度も押して悪いなあという気持ちを抱えながら鳴らした。

 

どれだけ待っただろうかやっと二杯目のジョッキが来て、まあ、そのあとも似たり寄ったりの展開が続いた。これではダメだねと、早々にその店は引き上げ、飲み直す(私はノンアルコールだけれど)ことにした。

 

息子はこの調子では、レジで株主優待券を出しても対応できなかったりして・・・と言っていた。レジで私が優待券を出すと、はたしてレジスターの前に立った若者は、しばし固まったあと無言で奥に走り去った。代わりに現れた少々年長と見える男性も、スイスイと事態解決と思いきやまたしても券を見つめて悩み、そのうちスマホをいっぱい操作し始めた。

 

社内のマニュアルとかトラブル解決のサイトでも見ているのかと思って待っていたが、いっこうに事態は進まず、そのうちそのスマホで誰かと会話を始めた。はい、はいと指示を受けているらしいその男性は、電話の相手に何度もペコペコと頭を下げ恐縮している。この間最初の若者から次の担当者まで、客の私には一切の説明も詫びもなし。

 

そしてスマホに向かってその男性は「はい、頑張ります。ありがとうございます!」と言った。えっ?指示を出していたのがどの部署のどういう立場の人か知らないが、株主優待券を持って来た客が、清算できずレジで待たされているという事情はご存じですよね?従業員に励ましの言葉をかけている場合ですか?と言ってやりたくなった。目の前の若者が悪いわけではない、支持をしている上司の立場の人に呆れた。

 

こうしてレジで散々待たされ、後の方にも迷惑を掛けながら、やっと支払いを終え、めでたく優待券の処理を終了した。嘆息。

 

次のお店を探して歩きながら、私たちは息子の予感が的中してしまったことに笑ったり呆れたり。ネットからダウンロードしたクーポンなんかじゃない、会社側がどうぞ来てくださいと発行した優待券で、こんな不快感を味わわせるなんてもってのほか。そもそも処理に戸惑う事態には、とりあえず他のクーポンなりの値引き処理の仕方で対処しておいて、あとから正しいやり方を聞いて直せばよいだけのことと、自分もサービス業で働いていた息子は言う。

 

昨秋からのめざましい進撃に、今後の成長もあるかもしれないからと100株だけ残しておいたのだけれど、この会社に未来はないと思う。頃合いを見てもう売却しようと決めた優待券利用となった。

 

 

ダメだ、こりゃ!  (LAUTさんのサイトより)