あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

最高のパートナー

私の住む地域では、現在東海テレビ(フジ系)で『監察医 朝顔』のシーズン2が再放送されている。11話を過ぎてもまだ続くのであれ?と思ったが、そういえばシーズン2は珍しく2クール続きで放送されたのだった。シーズン1もシーズン2も良かったが、再放送を見て、やはりこれは素晴らしい作品だと再確認している。

 

監察医の朝顔上野樹里)が主人公の医療物でもあり、主人公の父親(時任三郎)と夫(風間俊介)が警察官という警察物でもあり、東日本大震災で行方不明となった妻(石田ひかり)を探し続ける夫の愛の物語でもあるが、何といってもホームドラマの面が出色で、しかもこのすべてのバランスがとても良い。

 

その素晴らしいストーリーの中でも、ひときわ輝いているのが、風間さん演じるところの朝顔の夫桑原くんである。夫としても父親としても、これほど素敵に描かれた存在を私は見たことがない。これは原作の桑原くんがこうであるからなのかを確認するため、原作のコミックを読んでみたいとさえ思う。

 

結婚後も、可愛い娘つぐみちゃん(この子役がまた素晴らしく自然で可愛い)が生まれてからも、監察医として働き続ける妻を、桑原くんは心身両面からこまやかに力強く支え続ける。家事は「手伝う」というレベルではなくごく当たり前に分担しているし、つぐみちゃんの対応も、遊び相手はもちろん、きちんと敬語で話して言い聞かせるところなども素晴らしいという言葉に尽きる。

 

そしてとりわけ感動したのが、夫は捜査中の問題で処分を受けて長野に飛ばされ、父親は警察を退職して仙ノ浦(架空の地名。岩手あたりをイメージか)に転居し、初めて一人で育児をする朝顔に、法医学教室の中心だった教授(山口智子)が退職して負担が増える。さらに、離れて暮らす父親が認知症を発症しているのではないかという心配が加わって朝顔は悩む。

 

夜電話で話している時に、言葉には出さなくても朝顔のいつもと違う様子を察知した桑原くんは、「朝顔、4時間で行くから待ってて」と言うのだ!桑原くんの素敵な夫ぶりにはいつも感心していたけれど、この時はもう胸を打ちぬかれた気分だった。

 

桑原くんのようなパートナーだったら、絶対に一人で生きていくより二人の方が幸せだと思える。もしも(こういう人はしないだろうけれど)間違って浮気してしまっても、こんな人だったら、許してその後も一緒に生きていきたいとさえ思う。

 

異性の相手でも同性の相手でも、結婚という手続きを踏んでいようといまいと、そうしたことは瑣末なことで、こういうパートナーに出会えるかどうか、あるいは自分が相手に対してこういうパートナーたり得るか、それが非常に大切なことのように思う。

 

一人で自由気ままに生きるのもいいけれど、きっとこんなパートナーとともに生きる人生は、本当に喜びは倍に、悲しみは半分になるだろうなと思える。

 

今日の放送が15話。あと5話を残すのみとなってしまった。

 

 

家庭でのシーンの一つひとつが本当に温かく自然で、私は特にお気に入り。(HOMINISさんのサイトより)