あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

『美の壺』を熱く見ていた時があった

16年前の2007年の夏、ヤフーブログに書いた文章。

 

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いま私が一番楽しみに見ているテレビ番組『美の壺』。


以前から職人の技が好きだったし、古いものも好きなので、
まさに私にとってこの番組はツボ、でした。
もっと早く知っていたかった!!!とちょっぴりくやしいほど。

(『美の壺』は2006年4月に放送開始)

 

谷啓さんという懐かしいタレントさんが案内役になって、
古来日本の生活の中で磨かれていった「くらしの中の美」を紹介してくれます。

 

毎回毎回紹介される物の魅力はもちろん、
バックに流れるジャズもとてもお洒落です。
そして谷さんのおうちという設定になっている、番組の舞台がまた素晴らしいのです。
下品で安っぽい新しいものは何一つ入り込んでいない格式ある日本建築。
床の間や美しい組子の障子を背景に、
和服姿の谷さんのおしゃべりを聞いているだけでもほんわかとした気分になって、
とっても癒されます。

 

和箪笥、鉄瓶、江戸の文様、千代紙・・・。
どの回にも昔の職人たちの美に対する鋭い感覚に驚かされ、
そしてその美を支える確かな技に舌を巻きました。

 

こうした素晴らしい技術やセンスが、これからどうなっていくのかと思うととても心配です。
どの分野の時も昔の技を今に伝える職人さんはもう大分おとしで、
若い後継者がいるものは稀です。

この番組を見て憧れて、職人さんの門を叩く若者が少しでも出てくるといいなと願っています。

 

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16年がたって、おそらく職人さんの世界の後継者不足は、ますます激しくなっていることだろう。もうすでに消えてしまった技術もあるかも知れない。なんとかハラスメントやブラック労働に耐えている若い人たち、ちょっと視点を変えて職人の世界をのぞいて見るのはどうだろう。

 

「転職の魔王様」も、技術職専門なんて魔王様がいてもいいのでは?

 

 

これは現代の作品