あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

面白いにもほどがある

今期も録画はしたものの視聴する意欲はあまりわかないドラマが多い中、昨シーズンの『きのう何食べた?』と同じように、翌朝家事が一段落すると早々に見たい気持ちになるのが『不適切にもほどがある』だ。そうして朝一で録画を見ながら、夜にはネットフリックスで第1話から見直し始めている有様だ。

 

前回このドラマに触れたエントリー:

hikikomoriobaba.hatenadiary.com

 

始めのうちは、1986年から来た主人公小川市郎が、2024年の日本の文化に戸惑う姿が単純に面白かったのだが、市郎と娘の純子が阪神淡路大震災で亡くなるということが分かってから、せつなさが加わって、ますます目が離せなくなってきた。

 

今週の第6話は特に感動的だった。父親市郎の娘への愛は当然としても、スケバン(存在そのものが無くなってもはや死語)を装っている純子の、父親への優しい思いやりに泣かされた。

 

その純子を演じる河合優実さんが、洗濯物をたたみながら2024年から来た社会学者のサカエ(吉田羊)さんと会話するシーンがあるのだが、しゃべりながらもテキパキ手を動かし、実にきちんとしたたたみ方をしていて感心した。

 

ドラマでよく見かけるシーンだけれど、俳優さんによっては、あらあらそれじゃあ洗濯物がしわくちゃ・・・と、つい変なところが気になる私は、ドラマから気持ちがそれてしまうこともある。

 

この河合優実さん、私はまだ『プラン75』とこの作品でしか知らない俳優さんだが、2022年に各種映画賞の新人賞を総なめにした方らしい。この『不適切・・・』でも演技はもちろん、ミュージカルシーンで歌唱力のあるところも披露して、今後の活躍が益々楽しみな若手俳優さんだ。

 

第6話の感想で多くの方が触れているが、2つの世界のポイントとなる喫茶店スキャンダルで、娘の渚(仲里依紗)とセーラー服姿の母親の純子(河合優実)が、カウンターで語り合うシーンは本当に素晴らしかった。こんなにもせつない親子の情の描き方があったなんて!

 

クドカンさん恐るべし!です。