一か月たったので髪のカットに出かけた。帰りに少し先の郵便局に寄る。この季節になると決まって桜の便りを出したくなるので、春らしい葉書や切手が欲しいと思った。
けれども、残念なことにこのところずっと窓口に切手が並んでいない。以前はいつ行っても、かなりの種類のきれいな切手が掲示されていたのだけれど。
桜をデザインしたカードはあったが、絵葉書も桜のものはなく、またそれ以外でも欲しいと思うものはなかった。気のせいだろうか、なんだか全体的に物品の販売が寂しいように感じた。今秋から郵便料金が値上げされるようなので、それに備えて今は在庫を減らしているのだろうか。いや、手紙を書く人が減っていて、需要自体が縮んでいるのかもしれない。
郵政が民営化されて15年以上がたったけれど、私たち利用者にとって何かいいことがあっただろうか。配達日が減り、以前より郵便が届くのに日にちがかかるようになったことは真っ先に浮かぶが、頭をひねってみても、いっこうに良くなったことは思いつかない。
配達の方など、働いている人たちはどうなのだろう。やはり公務員だった時の方が良いのだろうか。利用者側はメリットはあまり感じられないのだから、せめて働く人たちには良いことがあってほしいと思うけれど、結局上つかたの人のための改革でしかなかったのか。
こうして葉書も切手も思うようなものが手に入らないうちに、桜は咲き、散ってしまい、今年は花の便りを書かずじまいになるかもしれない。
フォト蔵さんのサイトより