減速するどころか、毎日さらに快調に素晴らしい物語を紡いでくれている『虎に翼』だけれど、また今日はなんというできだったことだろう。見終わってもしばらく感動で心が震え続けた。
簡単に視聴者を感動させられる出産シーンや戦時中の苦労話はあっさりと通過して、新しい日本国憲法(これを「にほんこく」けんぽうと読んでほしかったという高橋純子さんの文章をcangaelさん(id:cangael)がご紹介くださっていて、深く納得した)の、それも戦争放棄などでなく基本的人権にこれほど焦点を当てて描いてくれるとは!
しかも冒頭の川べりで新聞を読む寅子の遠景から、家族会議を経て司法省の人事課長のもとに出向いて「裁判官として雇ってください」と頼むまでを一気に見せて、残り時間2分を切ったところでいつものオープニングのテーマ曲とアニメーションが流れるという効果的な演出!もう今後の展開にいやがうえにも期待は高まるばかりだ。
憲法を変えたくてうずうずしている(特に、人権なんてものを持たせたのがけしからんなどと言っている)あそこやらここやらの人々は、影響力の大きいこのドラマの描く新憲法のあまりの素晴らしさに、浮足立っているかも知れない。脚本の吉田恵里香さん始めスタッフの方々、どこやらから圧力がかかるやも知れません、どうかお気をつけてと言いたくなる。
それにしても、報道の腰抜けぶりを補わねばという悲壮な決意すら伝わってくるような、このところのNHKドラマ班の奮闘ぶりだ。その中でもこの『虎に翼』はひときわ輝いている。ますます目が離せない。