あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

土地に本能があったら

ネットフリックスで『地面師たち』を見ている。少々暴力的な場面もあり怖いのだが、圧倒的な面白さに引っ張られてしまう。

 

先日見た5話に、豊川悦司演じる地面師のリーダーハリソン山中と、綾野剛演じるメンバーで交渉役の辻本拓海の二人が、高級なウィスキーポートエレンを飲みながら話す場面があった。

 

「今はもう作ることができなくなったこのウィスキーを、人々はこぞって手に入れたがり高い金額を払うが、ポートエレン自身に自我があるとしたら、自分の価値を自覚しているだろうか。

 

土地は土地として太古から存在しているだけ。動物は野生本能があり縄張り意識はあるが、土地を所有しようとはしない。人間は本能があらかじめ壊れた動物といわれるが、そのかわり知恵があり、生物の頂点に君臨し土地を所有したがる。

 

そのために戦争と殺戮を繰り返してきた。人類の歴史は土地の奪い合いだとも言える。土地自身には、人間を滅ぼしたいという本能があるのかもしれない」とハリソンが語る。その土地を巡って、現代の日本では戦争にこそならないが、ドラマでは何億・何十億というお金が飛び交い、何人もの命も奪われる話が展開する。

 

土地は土地として太古から存在し、誰のものでもなかった。いつからかここは俺のもの、ここからここまでは誰それのもの・・・との主張が始まり争い殺し合うようにさえなった。間違って核のボタンなど押されたら、所有を主張していた者は死に絶え、荒廃した地球だけが残る。

 

そうなって初めて、地球は「やれやれ困った生き物人類がいなくなった。もう一度生命誕生からやり直すか・・・」となるのだろうか。

 

青息吐息だったユリ、水やりを始めたらなんとか咲き始めた。この暑さも人類に対する地球の怒り?