あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

自主上映会で区長になった岸本さんを観る

7月にロッシェル・カップさんの講演会を主催した女性たちのグループが、ドキュメンタリー映画『〇月〇日、区長になる女。』の自主上映会を開催してくれた。今日の午前と午後の2回上映。午後の回のあとには岸本氏を担ぎ出した内田聖子さんの講演会も企画されている。私は近所の友人が「午前の部に行くので良ければ車に乗せて行くけど」と連絡をくれたので、一も二もなくお世話になることにした。

 

岸本さんが区長選に勝利したことは分かっていても、前半はこんなのんきな調子で大丈夫なのか・・・と心配するほどの、率直に言えばバラバラな感じで進む。けれども岸本さんの人柄もあるのだろうか、だんだんとみんながまとまっていく。

 

安保法制の2015年から市民活動のようなものにかかわってきた私が、最も羨ましいと感じたのは、一人ひとりが実に楽しそうに生き生きと参加していることだ。この映画ができる発端にもなった道路計画に反対するデモの様子も、トラックの荷台にバンドが乗り込んで音楽を奏で、みながそれに合わせながら楽しそうに歩く。沿道で見ている人も、こんな明るく自由な雰囲気のデモなら共感しやすいことだろう。

 

私がこれまで参加した活動は、ほとんど学生運動世代の男性が中心だったが、この映画に出てくるのは圧倒的に女性たちだ。岸本氏が区長になったあとも、彼女の所信表明演説の区議会の惨状を見て、次は議会を変えなければ、変えて区長を支えなければ!と大勢の後援者たちが区議選に立候補するが、これもまた女性。結果、杉並区はこの国には珍しい女性議員の方が多い地方議会になる。

 

187票差で選挙戦を制し、勝利の喜びの声を上げるシーンで、万歳はせずにそれまで何度も唱和してきた、「みんなのことはみんなできめる」に始まり「選挙は続くよいつまでも」で終わるコールをしたのもこのグループらしくて素晴らしかった。

 

若い女性たちを中心にして、これから旧態依然としたこの国の選挙の在り方をどんどん変えていってほしい。私たち高齢者も、陰からしっかりその人たちを支えていきたい。そんな元気や勇気をいっぱいもらえる映画だった。

 

 

音楽は黒猫同盟として小泉今日子さんが参加している。キョンキョンカッコイイ!